義務教育での金融
世の中には、
義務教育で金融を教えるべき
と言う人がいて、ボクもその一人です。
少なくとも、ミトコンドリアの名前を覚えたり、1185年に平氏が滅亡したことを「暗記」するよりは、はるかに役立つと思うんですよ。
貧困で自殺する人、餓死する人、悪質な金融商品を買ってしまう人、詐欺に遭う人が後を絶たない日本。
それは、金融とか経済のリテラシーが低いことが要因のひとつだと思うんですよ。
もちろん、義務教育は小学生と中学生なので、高度なことを教える必要はありません。
基本的、かつ、自分の命を守り、誰かを助けられる知恵を教えるのが大切だと思います。
債券価格と利回り
債券とは資金調達を目的として発行する有価証券です。
国が発行するのが国債。
会社が発行するのが社債。
もちろん、債券を買う側に何らかのメリットが無いと、債券は売れません。
そのメリットのひとつが、利息ですね。
100万円の債券を買い、償還が1年後だとします。
その債券の利息が5%なら、1年後には、100万円と5万円が手元に来ます。
この5万円を得るのがメリットですね。
まあ、簡単に言えば、国や会社の借金です。
債券は市場に出回ります。
市場で売買され、債券の価格は変動します。
債券の価格が上昇すれば、利回りは下がります。
債券の価格が下落すれば、利回りは上がります。
この理屈がわからないと言う人が多いんですが、何も難しくはありません。
例えば、さっきの100万円の債券。満期(償還)時には5万円がもらえます。
すると、世の中には、その債券を101万円で買っても良いと言う人が出てきます。
なぜなら、100万円の債券を101万円で買っても、満期時に5万円がもらえるので、4万円のプラスだからです。
一方、最初に100万円で債券を買って持っている人も、今すぐ101万円で売れば、すぐに1万円が手に入ります。
今すぐ1万円を儲けるか、満期まで待って5万円儲けるかは、人それぞれですが、売買が成立すれば、その債権は実質の価格は101万円です。
101万円で買った債券で5万円の利息をもらう。
やがて、102万円で買っても良いと言う人も現れるかも知れません。
102万円で買っても3万円の儲けだからです。
このようにして、理論上は、儲けが発生する価格までは債券価格は上昇する可能性があります。
100万円で5万円の利息だと利回りは5%。
102万円で5万円の利息だと利回りは約4.9%。
こんなふうに、債券価格が上昇すれば、利回りは下がります。
細かく書けば、本を1冊書けてしまうほどの内容ですが、あえてカンタンに書きました。
ホントは、満期までの残り期間や税金も考慮する必要がありますが、今回は省略します。
基本的な理屈を知ってほしいからです。
商品の価格、通貨の価格、株の価格など、世の中の価格は日々、変動し、それには必ず理由があります。
その理由を考えられるようになれば、この世の中がどんな仕組みで動いているのかが見えてくるようになり、
知識が無い
ことが原因で、犯罪の被害に遭ったり、損失を被る人を救うこともできるでしょう。
ボクは、生物学も、歴史も否定するつもりはありませんし、ボクも大好きです。
しかし、それは、将来の進路で選択しても良いのでは無いでしょうか。
算数を身に付けないと、日常生活の買い物もできません。
それと同じで、金融経済は実生活に密着します。
生活に役立つこと、自分を守ること、誰かを助けること、それを念頭に、金融や経済の義務教育化をしてもバチは当たらない、ボクはそう思います。