在庫
まともに勉強した企業経営者なら誰でもわかるんですが、在庫を持つことは悪です。
なぜだか、わかりますか?
100円で100個仕入れて、1個150円で販売するとします。
当然のように仕入れが先に発生しますよね。
販売はいつになるか確定していません。
すぐに売れるかもしれませんし、ずっと売れないかもしれません。
その間にも、1万円の負債の支払いはやってきます。
つまり、商品が売れるまでは1万円と言うコストは死蔵してしまいます。
おカネが入ってくるよりも先に支払いがやってくるんです。
つまり、支払いのためのおカネを先に準備しなきゃいけないんですね。
例として1万円と書いたので小さく感じますが、これが100万円とか1000万円ならどうでしょうか。
そのおカネを支払いのためにどこからか調達する必要があります。
つまり、借金ですね。
借り入れにはコストがかかります。金利です。
そして、いつか、返済期日が来ます。
返済のための資金は売上金です。
と言うことは、その商品が売れなければ、返済資金ができず、すなわち返済が滞る可能性があります。
返済が何度も滞れば倒産です。
これを防ぐためには仕入れをなるべく少なくすることです。
100個も仕入れずに10個にしておけば、そのための支払い資金も少なくて済みます。
倒産リスクも減りますね。
世の中の倒産原因の大半は、将来の見誤りです。
ホントはもっと売れると思ったとか、事業が拡大できると思ったのに、そうでも無かった。
だから借金が返せなかった。
で、倒産。
こんな話が無数にあるんです。
買い物
では、一般の個人ではどうでしょう。
個人なので倒産と言う概念はありません。
しかし、自己破産する人は少なからずいます。
借金が返せなくなるんですね。
なぜ個人なのに借金がそんなにあるのか。
それは収入に対する支出が大きすぎるからです。
年収500万円だから住宅ローンを組んだ。
住宅ローンなんて数十年先の収入が保証されないと返せないギャンブルです。
ところが勤務先の業績が悪化して翌年の年収が400万円になった。
とたんに生活が苦しくなります。
結果、住宅ローンの返済ができず、担保として自宅を取り上げられたあげくに、それでもローンの完済ができず、賃貸住宅に戻ってからも残債を返して行く、そんな人、いるんですよ。
別に住宅ローンじゃなくても、生活が苦しい人がいます。
もちろん低所得で生活が苦しい人も多いんですが、比較的収入があるにも関わらず生活が苦しい人がいます。
そうです。
収入が上がると、それに合わせて支出も増やしてしまう人。
物欲に負けて、いろんなモノを買ってしまう人ですね。
人気のヒューロムのスロージューサー。
健康ブームに乗って買った人もたくさんいるでしょう。
その後、どうですか?使い続けていますか?
ひとつだけ言えること。
それは、これを使おうが使うまいが、これを買ったおカネは二度と返って来ない、つまりサンクコスト(埋没費用)であると言うことです。
モノを買うと言うことは、その分、家計から現金が減ります。
現金の使い道は無限ですが、モノの使い道は限定されます。
そして、モノの価値は非可逆です。
いったん買ってしまうと、そのコストはもう戻って来ません。
もちろんオークションなどで売却はできますが、それでも買った時の価格よりは安くしか売れません。
世の中の商品で、買った時の価格よりも高く売れる可能性があるモノはごく一部です。
それは資産と呼んで良いでしょう。
しかし大部分の工業製品や商品・サービスは不可逆です。
つまり、単なる支出であり、その支払いは負債なんですね。
3万円出してスロージューサーを買ったとしても、3万円分以上の健康を手に入れる可能性はものすごく低いですし、おそらく多くの人は数回使っただけで、面倒になって、ホコリをかぶっているでしょう。
ボクが唯一、オススメしている支出は、投資です。
自己投資を含めた投資です。
支出した金額以上のリターンが期待できるからです。
3万円を出してスロージューサーを買って健康になるか。
3万円を出して5万円、10万円のリターンを得るか。
資産形成ができる人とできない人との差は、そこにあるんですよ。