裏口
Appleと米司法省がケンカしてるんですよ。
経緯としては、カリフォルニアで起きたテロ事件。
その容疑者が持っていたスマートフォンがiPhoneなわけです。
で、米司法省はそのiPhone内に重要な事件の関連データが入っていると思い、中身を読もうとしたんですが、iPhoneのセキュリティがあまりにも強固で、読めなかったんですよ。
そこで、米司法省はAppleに対して、こう言ったんです。
iPhoneのバックドア(要するに裏口)を開ける鍵を米司法省に預けろや。
何か事件があったら、米司法省はその鍵でバックドアを開けて事件の証拠などを見るから。
それに対するAppleの答えは、
イヤや!
だったんですね。
建前上は、米司法省は、必要な時だけバックドアを開けるということです。
がしかし、米司法省だって人間の集まり。
かつて、歴史上、お役人による不祥事がどれだけあったことか。
当然、バックドアを米司法省に預けてしまえば、不正にバックドアが開けられてしまう可能性が懸念されるわけです。
そうなると、完全にプライバシーの侵害、プライベート情報の流出の心配があります。
だからAppleが絶対に反対の立場なんですね。
で、そんなAppleに、GoogleやMicrosoftやFacebookなども支持を表明しているわけです。
いかに米司法省が信頼されてないかというか。
まあでもそれは仕方ないですよね。
個々の犯罪のデータを読み出すことよりも、世界中のiPhoneのバックドアが開けられる懸念の方がはるかに大きいってことですから。
そもそも
米司法省はAppleに罵詈雑言を浴びせます。
プライバシーの保護なんて建前で、ホントは自分のブランド価値を守りたいだけだろ!
うーん、こうなると子供のケンカ。
それでも、AppleはOKしません。
というか、OKするはずも無いんです。
できないんです。
ほら。
そもそもですが、Appleは、
バックドアなんて無いねん!
と言ってます。
つまり、ユーザーのiPhoneはAppleですら解読できないんです。
それくらいiPhoneのセキュリティは高いということです。
Appleはそれを売りにしてますから。
だから、仮に、裁判などでAppleに対してバックドアを開ける命令が出たとしても、それでもAppleはOKを出せないんですよ。
だって、もしAppleがOKを出してしまったら、それは、バックドアの存在をApple自身が認めてしまうことになるからです。
つまり、Appleがこれまでウソを付いていたことになってしまうんです。
なので、事の良し悪しとか事件の重要性とか、そんなのは関係ないわけです。
Apple的には、どうやっても自ら認めることはできないんですね。
そうこうしているうちに、別の事件ですが、ブルックリンの判事はAppleの味方のようですね。
この流れ、ボクもiPhoneユーザーなので注意深く見守りたいですね。
だって、もしAppleがバックドアを開けることに協力するなったら、今まで信じてきたセキュリティレベルは世界的に崩壊するわけですから。