Appleのやり方
今年のiPhoneには新機能として、
- 顔認証
- ワイヤレス充電
他が搭載されました。
まあ、いつもどおりと言いますか、すでに他機種で実現済みの機能です。
思えば、はるか昔、Appleがマウス操作とGUIのパソコン、
Macintosh(マッキントッシュ)
を出してヒットさせましたが、マウスもGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)も他社で作られたモノでした。
iPodを世界的に大ヒットさせたときも、すでに圧縮形式の音楽プレーヤーは世の中に存在しました。
それでも、Appleが出すと、革新的だとか、イノベーションなどと言われてきたわけです。
なぜでしょうか。
使いやすさ
その答えは難しくありません。
ボクは以前、こんな記事を書きました。
トラックパッド(タッチパッド)を搭載したパソコンなんて世の中には無数にあります。
でも、使いにくいですよね。
ボクも長年、Windowsパソコンのユーザーで、タッチパッドが使いにくいので、ノートパソコンと共にマウスを持ち歩いていました。
しかし、Macを使ってみると、圧倒的にトラックパッドが使いやすいんですよね。
同じパソコンでもメーカーが違うとここまで使いやすさが変わるのかと驚いたモノです。
かつて、Androidスマートフォンを使っていた友人がiPhoneに乗り換えると、あまりの使いやすさに驚いていました。
機能的にはAndroidの方が上なのに。
ポイントはそこなんです。
スペックを見てわかるのは機能や性能だけです。
しかし、Appleと言う会社は変わっていて、そこよりもコストを掛ける部分が違います。
あくまでも品質と使いやすさにこだわります。
だから、すでにある技術でも、十分に吟味して熟成させて使いやすくなるまでは採用しないんですね。
使いやすくなってから採用する。
だから、他社より必ず遅れる代わりに、使いやすい。
顔認証もすでに他のスマートフォンで存在しますが、iPhone Xの顔認証はそれらより圧倒的に使いやすい。
指紋認証もそうですね。
実はボクが2007年頃に持っていた富士通の携帯電話にも指紋認証機能がありました。
もう10年も前の話ですよ。
機能としてはとっくに存在していたんです。
しかし、それにしても使いにくかった。使いにくかったので面倒で使っていませんでした。
しかしiPhoneの指紋認証は毎日のように使っています。
新しい技術が登場すると、技術ありき、スペックありきで語られがちですが、それではユーザーは幸せになれません。
ボクが大好きなポルシェと言う自動車。
メチャクチャ高性能です。
しかし、運転のしやすさで言えば、ホンダの軽自動車であるN-BOXの方が上です。
日常の生活では。
つまり、使いやすさや便利さとスペックとは別の話なんです。
多くのメーカーは売るためにスペックを上げますし、多くのユーザーもスペックに踊らされますが、それは商売優先主義。
Apple製品は高価ですが、それは、スペック以外の部分、例えばユーザーインターフェイスなど操作に関わる部分、高品質だと感じられる部分にやたらとコストを掛けているからです。
実際、使ってみないと、良さはわかりません。
スペックを見ても幸せになれないんですよ。
だからボクは毎日、iPhoneもMacもAndroid機もWindowsパソコンも使っています。
毎日毎日使っていると気付くんですよね。
Appleはスペックでは無い、使い勝手に関する部分にカネを掛けているなあ、と。
MacBookシリーズのフタなんて、指1本で開けられます。
他社のノートパソコンは両手で開く必要があるモノが多いんですよね。
その絶妙なヒンジの固さの調整。
そんなのもやはりスペックには現れないんですが、Appleは使い勝手を重視するため、マニアックなほどにカネを掛けているわけです。