トランプって
アメリカの大統領選挙は、わりと最後の方まで大接戦だったので、面白かったですね。
トランプと言う人は、政治の経験が一度も無いのに、いきなりアメリカ大統領ですよ。
セクハラ発言やらヘイトスピーチやら、とにかく今までに無いタイプの人が世界最強国の大統領になりました。
波乱の予感。
この人の特徴をカンタンに言えば、保護主義です。
世界が協調するグローバリズムでは無く、アメリカ優先。
だから、移民も認めません。
メキシコとの国境に壁を作ると言う公約は実現するのでしょうか。
そしてもちろんTPPも反対。
アメリカの国内企業をがっちり守るはずです。
日本の巨大輸出企業、例えば、トヨタやホンダは苦しめられるかも。
あと気になるのはイスラム圏との関係ですよね。
グローバリズムがISISの台頭を許したと考えるなら、トランプの就任はISISの過激な活動を緩和させるのか。あるいはその逆か。
日本の米軍基地の位置付けも変わる可能性が大きいです。
何せトランプは日本や韓国での米軍駐留費用を求めていますから。
それが実現しない場合、日本から米軍がいなくなる、つまり、日本は自力で近隣の共産国からの防衛の必要性に迫られます。
アメリカが世界の警察で無くなることで、ますます中国の相対的なチカラが強まるかも知れません。
少なくとも、今より平和になるとは考えにくいんですよね。
イヤな時代になりそうです。
近隣国が侵略してきたら、あなたはどうしますか?
日本の国土で戦いますか?
どこか安全な国へ逃げますか?
少なくともあと数十年生きる人たちには、人生の間、ずっと平和では無い可能性も考えておく必要がありそうです、残念ながら。
得票数と重み
さて、今回の大統領選挙、実は得票数ではクリントンが勝ってます。しかし、大統領に選ばれたのはトランプ。
なぜなら、大統領を決めるのは得票数では無く選挙人の数だからです。
わかりやすく書いてみます。
100人の国民がいる国があるとします。
3つの州にわかれていて、A州は60人、B州は30人、C州は10人の人口がいます。
A州、B州、C州にそれぞれ選挙人がいます。
クリントンとトランプがこの国で争うとしましょう。
そしてA州では全員がクリントンに投票し、クリントンはA州の選挙人を獲得しました。
B州では全員がトランプに投票し、トランプはB州の選挙人を獲得。
C州でも全員がトランプに投票し、トランプはC州の選挙人を獲得。
この結果、投票した国民の数で言えば、クリントンは60人、トランプは40人でクリントンの圧勝ですが、獲得した選挙人はトランプが2人でクリントンが1人。
だから、より多くの国民から支持を得ているクリントンではなく、2人の選挙人を獲得したトランプが大統領に選ばれました。
要するにクリントンは支持率で勝って勝負に負けたわけです。
制度に原因があるんですね。
A州は国民60人で1人の選挙人、B州は30人で1人、C州は10人で1人。
国民1人あたりの選挙人の重みがそもそも違うんですね。
この制度が良いか悪いかは議論がありそうですが、現実にアメリカでは、こんな大統領選挙制度を採っています。
これ、実は日本でも同じ問題を抱えているんですね。
そうです。
1票の格差問題ですね。
国会に政治家を送り込むのに、2万人の選挙区やら5万人の選挙区やらがあります。
2万人で1人の政治家を選び、5万人で1人の政治家を選ぶ。
どちらも、国会においては1票なんですよね。
同じ1票なのに、2万人の意見と5万人の意見。
不公平ですよね。
この明らかにおかしな違憲状態が長年続いています。
裁判所も、
違憲状態だけど選挙は有効
と言うトンチンカンな判断をしています。
長い長い間、このアホな状態を放置してきたのはもちろん政治家。
全国会議員の責任であり、罪です。
日本の国会議員はアホばっかりだな〜とボクはよくツイートしていますが、それにはそんな理由があり、今回の米大統領選を見て、あらためてそのことに思いを巡らせました。