非天マザー by B-CHAN

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電子書籍の実用面でのデメリット

電子書籍にも長所と短所がある

今年は電子書籍元年、という声がよく聞こえてきます。
ボクは新しもの好きなのと、あと、できるだけ物は持たない、という性格から、できるだけなんでもパソコンだけで済ませてしまおう、という生活をしています。
テレビを見ない代わりにパソコンで情報収集、新聞を読まない代わりにパソコンでニュース閲覧。
その他、ゲームやら音楽やら勉強やら映画鑑賞やらコミュニケーションなど、食事とスポーツ意外はほぼ、パソコンかケータイがあれば事足りています。
なので、部屋には非常に物が少ないです。
電子書籍も積極的に取り入れて、読書は今やほとんどが電子書籍です。
いつの時代もそうですが、新しい物が普及し始めると、必ず古き良き物を持ち上げる人たちがいます。
そのこと自体は大変良いことだと思いますが、多くの場合、結局は古い物は駆逐されていってしまっています。
その原因は、古い物を持ち上げる理由が、たいてい、実用性の部分ではなく、風情の部分だからなんですね。
例えば音楽のレコード。今でも細々と残っていますが、大部分はCDに置き換わってしまいました。
レコードはジャケットやら音質やらに風情があります。しかし、実用性で見ればCDが圧倒的に便利です。
そして今度はそんなCDが音楽のダウンロードに駆逐されつつあります。
CDにはジャケットなどの風情がありますが、利便性ではダウンロードが圧倒しています。
フィルムカメラからデジタルカメラへの移行もそうでした。フィルムの味わいが犠牲になる代わりにデジカメの利便性が手に入りました。
ブラウン管テレビから薄型テレビへの移行もそうです。置き場所や消費電力というメリットを手に入れつつ、ブラウン管のような高画質は無くなりました。
紙の手紙も減少し、代わりにメールが一般化しました。
年賀状の方が風情がありますが、利便性やコストではメールが有利です。
ボクも以前、こんなエントリーを書きました。


メールの時代になって


そして今年は電子書籍元年。
やはり同じような意見が出ています。紙の書籍は紙のぬくもりや風情がある、と。
そんな紙の書籍についても、数百年前に初めて登場したときは、やはりそれまでの羊皮紙などを持ち上げる人がいたそうです。もちろん紙よりも羊皮紙や木簡などの風情が支持されました。しかし結果として紙がそれらを駆逐しました。紙の利便性が勝ったわけです。
そんな紙の書籍が、今度は置き換わられる立場になりつつあります。
電子書籍には、経年劣化しない、大量の書籍も持ち運びが楽、検索できる、在庫が不要、製造コストが圧倒的に低い、など、紙の書籍に対するかなりのアドバンテージがあります。
歴史が繰り返すとおり、紙の風情を支持する人がいても、いずれ利便性が勝る方に駆逐されていくのでしょう。
永遠に同じ物というのは存在しません。
ところがボクは、電子書籍に関して、一点、どうしても紙の書籍に実用性で劣っている部分があって気になっています。
それは複数の書籍を同時に閲覧できない、ということです。
例えば小学校の地理の授業で、教科書と地図帳とノート、という3冊を同時に机の上に広げたりすることがあります。
あるいはテキストと問題集を開けて勉強することもよくあります。
電子書籍ではこれがかなり難しいです。
パソコンなら複数のウインドウを開けますが、それでも面積に限界がありますし、スマートフォンではそもそも複数同時表示は無理です。
どうしてもやりたければ、例えばiPadを複数台並べるようなことになります。
つまり、電子書籍が風情ではなく実用性の面で紙の書籍に大きく劣っている部分が残っているわけです。
単に風情の問題ではないため、電子書籍が普及してしまうと、紙の書籍よりも不便を強いられることになるわけです。
ここがクリアされないと、CDがレコードを駆逐したようなときと同じような流れにはならない気がします。