日本語で考える
英語とか数学と言う学問を日本では中学生から義務教育で学びます。
ボクは長年、これらの学問を理解するのに、日本語での思考力が大事だなあ、とつくづく思うのです。
厳密に言えば日本語での思考力と言う言い方はおかしくて、思考力が大事なんですが、まあここは日本なので、日本語でしっかり考えられるかどうかが大事なのです。
英語の動詞
今回は英語の話をしますね。
例えば、英語の動詞。
動詞と言えば、動作を表す言葉ですが、単純に日本語における動詞の概念とは一致しない部分があります。
日本語で、走る、と言う動詞は、英語では、run、です。
これはほぼ一致するので問題ありません。
ところが、日本語の、持つ、を英語にすると、初心者は、have、を選びがちです。
日本語では、持つ、と言う動詞は、持っていない状態から持っている状態への変化を表します。
つまり、動きを描写しているんですね。
ところが、have、と言う動詞は、すでに持っているコトを表す動詞です。
どちらかと言えば、状態を表しています。
極論すれば、形容詞のような概念なんですよね。
日本語で言えば、持つ、の中でも、変化よりも、所有している、に近いですよね。
そうなると、日本語での、持つ、と言う動作と、所有している、と言う状態描写の違いをきちんと理解するコトがまず必要です。
そして、have、は後者であるコトを理解する思考力も必要と言うわけです。
持っていない状態から持っている状態への変化は、get、とか、take、が使われます。
ボクが、日本人にとって理解しにくい動詞だと思ったのは、英語の、resemble、と言う単語です。
He resembles me.
彼は私に似ている。
日本語だと、似ている、ですが、英語では動詞なんですよね。
これはさっきの、have、と同じで状態を表す動詞です。
日本語では、状態を表す動詞と言う概念が無いので、理解しにくいんですね。
理解しにくいんですが、それを理解できれば、英語の動詞の概念の殻を破るコトができます。
そして、英語ネイティブの人たちは、それを無意識に理解しています。
日本語を知っているコトがかえって障害になるかも知れない事例ですが、言い換えれば、英語の理解には、単に英語だけの理解力だけでは無く、本来の理解力が必要。
そう思ってボクは英語を学んでいます。
数学にもまた、日本語、と言うか言語の理解力が必要とされる場面が少なからずあります。
その話は別の機会に。