頭が悪い
最近読んだ本のおかげで衝撃を受けたので書きます。
えーっと、例えば受験勉強の話。
たくさん勉強して合格する生徒もいれば、不合格になる生徒もいます。
不合格になると、努力が足りないという指摘を受けますが、当の本人は、
自分は頭が悪いから
と片付けようとします。
ボクもどちらかと言えば、努力を支持するタイプなので、頭の良し悪しで片付けてしまうのはズルいと思っていました。
まあ、努力しないで不合格になる人は自業自得なので、その意見は正しいと思うんです。
で、問題はその逆。
努力しても不合格になる人。
これって本人に責任があるんでしょうか。
ここで、ウサイン・ボルトという人物を考えてみます。
言わずと知れた、人類最速の男。
走るのがめちゃくちゃに速い人です。
ところで、あなたはボルトの100倍練習したらボルトより速く走れるようになりますか?
ボクは無理です。
ほとんどの人は無理でしょう。
理由は簡単。
生まれ持った肉体の性質が違うからです。
努力の量ではどうしようもない運命があるんです。
これ、よく考えたら走る速さだけの話では無いですよね。
人間はみんな能力が違います。
思考力や表情や好きな食べ物や運動能力など。
もちろん努力で改善・向上できる能力もあるんですが、だからと言って世界一努力したら誰でも世界一になれるわけではないです。
まさに努力とは成功のための必要条件ではあっても十分条件では無いわけです。
すると、受験って変なシステムですよね。
だって、人間の受験能力も生まれ持って個人差があるわけです。
ボクと比べてボルトが生まれ持って走るのが速いように、受験に関しても生まれ持ってボクより得意な人間がいます。
脳の能力もみんなが同じでは無いですから。
てことは、受験というのは全然公平なシステムでは無いんですよね。
100メートル走もそうです。
ボクがボルトより走るのが遅いからと言って、それはボクの努力不足のせいではありません。
受験でも10倍努力した人が不合格になり、そこまで努力していない人が合格する可能性が十分にあります。
つまり、努力ではなく、どのように生まれてきたかで決められてしまうシステム。
なんという不公平なシステム。
不公平な世の中
ボクはどの家に生まれるかで教育を受ける機会に不公平が生じるのはおかしいと言ってきました。
子供に何の罪も無いのに、たまたまおカネ持ちの家に生まれたから何の不自由も無く教育を受けられ、たまたま貧しい家に生まれたから、まともな教育が受けられない。
ダメですよね。
受験能力もそれに当てはまるじゃ無いですか。
たまたまインテリジェントな脳を持って生まれてきたか、そうでないか、それで左右されるシステム。
思えば世の中って不公平ですよね。
美男美女に生まれてきたら、それだけで芸能界でスター扱い。
たまたま醜く生まれてきたら、それだけで苦労することがたくさんあります。
単なる外見の話であって本人の能力も努力も関係の無い部分ですでに不公平が生じてしまっています。
その不公平な要素が受験にもあったことに今さらながら気づかされましたよ。
よく考えるまでも無く、人間の能力って生まれた時点で全員がまったく同じじゃ無いんです。
それぞれ異なるんです。
しかしその、
事実
を指摘すると、差別だと言われて非難のまとになるんですよね。
あの人は生まれつき頭が悪い
ほら、引っかかるでしょ。
実際には生まれつき能力に差があるのは事実にも関わらず。
事実だけれど発言することが憚られる、それを、
不都合な真実
と言います。
これに気づかされてから、ボクはこの世界の不都合な真実にかなり目が行くようになりましたよ。
ちなみに、この本です。また橘玲氏ですね。本自体はめちゃくちゃ面白いので読んでみてください。