名作SF
最近、3種類のSF小説を読みました。
いずれもKindle電子書籍版です。
ひとつ目は、アーサー・C・クラークの、「幼年期の終わり」です。
ふたつ目は、ジェイムズ・P・ホーガンの「星を継ぐもの」です。これは3部作です。
3つ目は、ロバート・A・ハインラインの「夏への扉」です。
いずれも、SF界では有名な名作ばかりですね。
夏への扉
最高のSF作品は、と言うアンケートで定番の、夏への扉。
評価は人それぞれですが、ボクも20年ぶりくらいに読み直してみました。
この作品が発表されたのは1956年。
当然ですが、パソコンなんてモノは一般的に存在せず、また、携帯電話も無い時代の作品です。
作品はタイムトラベルと冷凍睡眠を扱っており、舞台は1970年と2000年です。
現実のボクたちは、今、2020年を生きているため、20歳以上の人ならば、2000年を経験しました。
1956年時点で想像される2000年とはずいぶん開きがあるんですよね。
これが、近未来を描いたSF小説の弱み。
実際に、そのときが到来してしまえば、小説内の描写と現実が全然違う、と言うコトになってしまいます。
小説内の2000年の世界では、ものすごくハイテクな暮らしなんですが、一方で、携帯電話は存在しません。
コインを入れて電話を掛けるのです。
まあでも、それは仕方の無い話であり、物語の面白さとは何の関係もありません。
ボクが感心するのは、この小説、SF小説として、と言うよりも、文学作品として、非常によくできているのです。
タイムトラベルと冷凍睡眠の両方が登場するので、時系列関係が複雑なんですが、読み進めていくうちに、見事に伏線が回収されていきます。
読むのは全然難しくなくて、あっと言う間に読めてしまいます。
その中で、前半から中盤にかけて、たくさんの謎が登場するんですが、後半に怒濤のように解決していくんです。
そのたびに、膝を打つような感覚。
主人公は、前半部分は不幸に次ぐ不幸。
とにかくツラいんです。
それが後半にどう巻き返すのか、あるいは巻き返さないのか。
それは読んで確かめて欲しいんですが、とにかく、読後は爽快そのもの。
SFなので、ある程度ロジカルながらも現実離れした設定があります。
そんなSFならではの描写も楽しめるんですが、とにかく人間同士のぶつかり合いと伏線回収。
SF小説として、では無く、小説全体として、実に凝った筋書きです。
SF小説に縁が無かった人への初めての作品として一押しですね。
ボクは、星を継ぐもの3部作の10年後に発表された4作目を読もうかどうか考え中です。