300万円で会社を買う
前回に続いて今回も読書感想文です。
実はこの本には前編があります。当然、これを先に読了しています。いつもどおり、電子書籍版を読みました。
どちらの本もすばらしい内容で、サラリーマンの人はぜひ読んで欲しいのです。
300万円で会社を買うコトの重要性よりも、もっと重要なコトを学べます。
サラリーマンは全員、会計知識を身に付けた方が良い
この本で言っている本筋は、安く会社を買おうと言う話です。
極端に言えば、1円で買える会社もあります。
その理屈はとてもカンタン。
例えば、あなたが古いクルマを手放したいとします。
普通に廃棄処分すれば、手数料などで10万円かかります。
それを1円で買ってくれる人が現れました、と言う話です。
捨てるなら10万円の支出。譲渡なら1円の収入。
たった1円ですが、捨てる場合と比べると10万1円のトクですよね。
会社も同じ。
廃業するために、什器備品の廃棄処分費として数百万円かかるコトが多いんですが、であれば1円で誰かに買ってもらった方が圧倒的にトクなわけです。
金額的にトクなだけでは無く、取引先にも迷惑を掛けずに済みますし、従業員も食を失わずに済みます。
実際、少子高齢化社会である日本で、今後、事業はきちんと運営できているのに、経営者が高齢になり、後継者がいないため、泣く泣く廃業を考えている企業はわんさかあるわけです。
であれば、コストを掛けて廃業するよりも、1円で譲りませんか、と言う話なんですね。
もちろん1円は極論です。
実際は、会社の資産の状況は事業の状況によって査定価格は異なります。
売る方も、1円で売るよりも300万円で買ってくれる人が現れたら、その方が良いので、そう言う例として、本のタイトルに300万円と書かれているわけです。
その本筋の話はもちろん読んで欲しいんです。
ボクだって、良い案件があれば買って自分が社長になって稼ぎたいですからね。
でも、この本のもうひとつのポイントは、会計とか財務の知識なんですよ。
ボクは以前から言っていますが、世の中のビジネスマンは全員、会計知識を持った方が有利です。
自動車業界なら自動車の知識が必要です。
船舶業界なら船舶の知識が必要です。
衣料業界なら衣料の知識が必要です。
飲食業界なら飲食の知識が必要です。
それらはその業界特有の知識です。
しかし、あらゆる業界に共通の必要な知識があります。
それが会計知識です。
会計知識を持っている人は、あらゆる業界で仕事ができますし、会計知識があるコトで、会社の経営の中枢を知るコトができます。
世の中には、本業が上手く行っているのに、会計知識が無いために倒産してしまう会社があるんですよ、残念ながら。
例えば、黒字倒産もそんな一例だと思います。
なぜ黒字なのに倒産するの?と思った人は危険ですよ。
厳密に言えば会計知識だけでは無く財務知識も含むんですが、そう言った知識を持てば、世の中の仕組みを奥深く理解できるようになります。
ボクは銀行員出身で、保険、ファンド、不動産と言った業界を渡ってきた人間で、会計知識も財務知識もがっつり身に付けたはずなので、この本に書いてあるコトもスラスラとわかりましたが、そうでは無い人は、まずは読んでみてください。
昔、mixiと言う会社が国債を買った事件(?)があったんですが、それについても書かれており、一方で、Appleと言う会社の強さの仕組みの一端もファイナンス的に書かれています。
ファンドと聞いただけでハゲタカとか悪い人たちと思い込んでいる人がいますが、はっきり言って無知です。
ファンドがどうやって社会貢献しているのか、その仕組みも書かれています。
読みものとしても面白いので、手に取ってみてください。