時価総額
企業の大きさを表す指標はいろいろあります。
売上高や利益額、時価総額、従業員数など。
そのうち、時価総額と言うのは、
株価 × 株数
の掛け算です。
株価と言うのは、投資家が値上がり、つまり、企業が利益をたたき出すと見込んで買って値が付きます。
例えば、1000円の株があって、それが将来、値上がりすると思えば、1000円で買う人がいるわけです。
その後も株は市場で売買されますが、上がると見込まれる最大値まで値が上がります。
例えば、その株が2000円まで上がると予想されれば、1500円で買っても損しないので、買い手が付くわけです。
あるいは、配当の利回りでも、値が変わります。
例えば、その株主には100円の配当があるとすれば、2000円で買っても利回りは5%です。
つまり、銀行などに預けておくよりも大きな利回りが得られるので、2000円の値が付くわけですね。
ただし、株の場合は銀行預金よりリスクが大きいので、銀行預金とまったく同じ利回りで評価されるコトはありません。
いずれにせよ、株価と言うのは、その会社が将来、さらに稼ぐコトをが予想されれば上がって行くわけです。
さっき書いたように、時価総額は、
株価 × 株数
なので、時価総額が大きいと言うコトは、会社の将来性が高いと見込んでいる人がたくさんいる、と言う話になります。
Appleの時価総額
Appleは言うまでもなく、故スティーブ・ジョブズが育て上げた会社です。
では、具体的に数値で見てみましょう。
スティーブ・ジョブズが亡くなったのは2011年です。
2011年のAppleの時価総額は、およそ3000億ドル強でした。
ジョブズは歴史上、最も時価総額を大きくした経営者です。
まさにジョブズが亡くなる年に、Appleは時価総額世界一になりました。
その後、ジョブズ亡きAppleは、毎年のように、もう終わりだと言われながら、実際には、ほぼ毎年のように過去最高の売上高や利益をたたき出し、時価総額も増えています。
そして、昨日の記事。
Appleは引き続き好調で、サウジアラムコを抜いて、時価総額世界一に返り咲きました。
時価総額は、なんと、1兆8000億ドル。
ジョブズ時代の5倍以上と言う、まさに超巨大企業。
1兆5000億ドルを超えた時点でアメリカ企業として史上初。
ジョブズが亡くなって9年近く経過しますが、その間に、ティム・クックCEOはAppleを5倍以上巨大化させ、世界一の時価総額に。
ジョブズ亡きAppleは終わりどころか、さらに巨大化し、もちろん歴史上、類を見ない超巨大モンスター企業になり、さらに、業績が好調を維持していると言う、どうしようも無い状態です。
世界のスマートフォンの台数で言えば、Android機のシェアが多いんですが、ご存じのとおり、Android機は安いからたくさん売れるんですね。
なので、Android機のメーカーは売ってもあまり儲かりません。
逆に、Appleは、iPhoneが高額なので、台数はAndroidほど出ませんが、スマホ業界の大半の利益を1社で稼いでいる状態です。
これ、企業としては、理想的ですよね。
台数は少なくて儲けは大きい。
少し働いて稼ぎは大きく。
言い方を変えれば、労働時間は少なくて給料が多いホワイト企業状態。
Androidメーカーは働けど働けど儲からず。
よく、Appleに対して、価格を下げよ、と言う意見があります。
もちろん、利益率を落とさない上での値下げは問題ありません。
しかし、単なる安売りは、iPhoneの台数が増えるだけで、Appleの利益を落とします。
それは、従業員の給料を落とす原因にもなりますし、労働環境の悪化にもつながります。
株価も落ちて経済も悪化。
あまりメリットは無いんですよね。
ダイヤモンドは輝くと言う以外に何の機能も無いのに人々は高値で売買しますよね。
物価とはそう言う理論なんです。
高機能=高い、では無いんです。
エルメスのバッグが高いのも同様です。
Appleは、トヨタと同じで、過去に倒産寸前から世界一を経験しているので、同じ轍は踏まないと思います。
ティム・クックは実にそこを理解していますね。
だから、恐らく、史上初の2兆ドル企業になるんだと思います。