実質値上げの目線
明治のブルガリアヨーグルトのニュースが出ています。
明治、「ブルガリアヨーグルト」を減量 値下げも :日本経済新聞
元々、内容量は450グラムで260円なのが、400グラムに変更して価格を250円に下げるという話。
よくある話ですよね。
値下げはするけど、内容量はもっと減るので、実質的には、むしろ値上げだって話。
確かに、消費者目線で言えば、実質値上げ。
内容量は、
400 ÷ 450 = 約89%
価格は、
250 ÷ 260 = 約96%
つまり、ヨーグルトの量は89%に減るのに価格は96%だからです。
ここまでは普通の話。
固定費やら何やら
ここから、ファイナンスやら何やらが気になるボクの目線の話です。
実は昔、こんな記事を書きました。
例えば、ヨーグルトって、ヨーグルトだけが店頭にドロドロと置かれているわけではありません。
ヨーグルトは容器に入っています。
ヨーグルトを売る店舗には賃料がかかります。
ヨーグルトを店舗に運ぶ運送コストがかかります。
ヨーグルトの容量が減っても、それを1個売る店員さんの人件費は減りません。
つまり、費用には、固定費と変動費があるって話。
ヨーグルトの内容量が減って同時に減るのはヨーグルトの材料費などの変動であって、固定費はほぼそのままです。
ボクはヨーグルト1個の固定費・変動費の比率は知らないので、ここでは話をカンタンにするために、勝手に数字を推測で設定しますね。
例えば、もともと260円だったブルガリアヨーグルトのうち、材料費以外の固定費部分が170円だったとしましょう。
それは内容が減っても変わりません。
てことは逆に言えば、もともと260円だったブルガリアヨーグルトのうち材料費は90円です。
それが10円下がって80円になるんですね。
こう言うことです。
ヨーグルトの内容量;450グラム→400グラム
ヨーグルトの材料費:90円→80円
で、材料費を計算すると、
80 ÷ 90 = 約89%
おや、値上げになっていない。
つまり、ヨーグルトの内容量だけを見れば確かに実質値上げですが、パッケージの製造やら流通やら販売までの総コストで考えれば値上げでは無いって話です。
もちろん、ここでボクが例示した数字はあくまでもボクの勝手な極端な数字。
実際には材料費の高騰による実質値上げなので、この数字は当てはまらないのですが、こう言う「考え方」を知ってほしかったのです。
製造業のコストには、固定費と変動費があって、単に変動費だけを見て値上げかどうかは判断しにくいんですよ、と。
内容量の減少よりも値下げ幅が小さいから、それだけで実質値上げだ!と言ってしまうか、そうでは無くトータルのコストで考えるか。
そこらへんが、あなたが経営者・財務向きかどうかのひとつの要素になります。
内容が半分だから価格も半分にしろ!と言うロジックがおかしいと言う話のおさらいでした。