プラットフォーム
プラットフォームビジネスって、わかりますか?
例えば、Google。
ユーザーは、Googleで何かを検索したら、検索順位の1位のサイトから順番に見に行くコトが多く、検索順位が下のサイトほど見に行かなくなります。
なので、多くのサイトは、Googleの検索で上位に表示されるように工夫します。
基本的にはGoogleは良質なサイトほど上位に表示すると言っていますので、それに適合するようにサイトを構築するのがポイントで、その対策をSEO(Search Engine Optimization)と言います。
世界中のウェブサイトは、検索エンジンを支配しているGoogleと言うプラットフォームの手のひらで操られていると言えます。
プラットフォームを持つ者は、まるで神様であるかのように支配力を持ちます。
日本の有名なプラットフォーマーとして有名なのが、
ですね。
ユーザーは、食べログで評価の高い店舗に行きたがります。
なので、店舗運営者は、食べログで上位に表示されるように工夫をする必要があります。
食べログがGoogleと違うのは、店舗側が食べログにおカネを払うコトで、表示の順位を上げるコトができる点です。
厳密に言えば、順位を上げると言うよりも、目立つ場所に表示すると言った方が良いかもしれません。
いずれにせよ、Googleと違って、おカネを払えば、目立つポジションを取るコトが可能です。
それはつまり、ユーザーがお店を検索して表示される画面は、純粋に店舗を利用したお客さんの評価を反映しているとは限らず、おカネを投じて作為的に作られた画面と言えるわけです。
ユーザーが、
「お、この店、食べログの一番上に出てくるじゃん。行ってみよう。」
と言った場合、その一番上に表示される店は、おいしさとは関係無く、食べログにおカネを払ってそこに掲載されているわけで、検索したユーザーは、その結果、まんまと、店舗と食べログに操られているわけですね。
食べログは日本を代表する飲食店検索巨大プラットフォーム。
なので、そこに表示されるかどうかは飲食店にとって死活問題です。
飲食店側が食べログをキライでも、それを使わないと集客できない。
そんな時代です。
プラットフォームを持った者の強みがそこにはあります。
Google、Amazon、Facebook、Apple。
GAFAと呼ばれるこれらの巨大企業も、いずれも強力なプラットフォームを築き上げているのが共通点です。
ランキングの無意味さ
ここからは、ボクがいつも言っているランキング論です。
食事でも音楽でもそうですが、それの良し悪しを判断するのは、それを食べた本人、聞いた本人であるはずです。
例えば、10人中9人が牛肉好きだとして、残りの1人が牛肉嫌いだとします。
ここで牛肉の好き嫌いアンケートを採れば、100点満点で90点です。
では、残りの1人は、世の中で90%の人が支持すると言う理由で、牛肉をおいしいと思わなければならないんでしょうか?
もちろん、そんなコトは無いですよね。
世の中の他の人がみんな牛肉好きだとしても、そのコトと自分の好き嫌いは何の関係もありません。
例えば世の中の90%がおいしいと思う食べ物でも、自分が食べておいしく無いのなら、それはそうなのです。
世の中の支持率と自分の舌の感覚は連動していないんですから。
ところが、世の中の多くの人たちは、食べログの点数を元に行動します。
食べログで100人の人が5点満点中4点を付けている店があるとしても、それは自分では無く他人による評価であって、自分の好みとは何の関係もありません。
自分以外の全員が好きだと言っても、自分が好きかどうかは、自分で食べないとわからないわけです。
さっきの牛肉の話です。
だから、おいしい店を探すツールとして、食べログの点数なんて、何の意味もありません。
その何の意味も無い点数に左右されて行動する人たちが圧倒的に多いから、食べログのようなプラットフォーマーが儲かるのであり、飲食店は、そのために食べログに課金してポジションを買う必要が出てきます。
ユーザーはカネで買われたポジションに表示されている飲食店に行っているだけです。
他人の評価に踊らされるユーザーが大勢いるおかげで、食べログは儲かり、無意味なランキングが成立する。
無意味なランキングを見て、おいしさとは無関係な店に足を運ぶ。
つまり、結局は、ユーザーは自分の意思を無くすことで、無意味に踊らされているわけですね。
音楽でも何でもそう。
それをどう感じるかは自分の感覚のはず。
ヒットチャートなどの、他人によるランキングに従って行動する。
自分の意思を持たない人がいかに多いかがわかりますよね。
インターネットが普及した現在、情報は一瞬で拡散します。
言い換えれば、思考力の無い人々をコントロールしやすくなったと言えます。
食べログのようなビジネスモデルは、インターネットの無い時代からありました。
ただし、それは、紙媒体でした。
飲食店紹介雑誌などで、広告枠を買った飲食店は、より目立つページに掲載されたわけです。
ただし、紙媒体はリアルタイムでの内容変更はできません。
インターネットはそれが可能ですし、検索ユーザーの行動も追跡するコトが可能です。
紙媒体と比べても圧倒的にユーザー情報を手に入れるコトが可能になりました。
だからこそプラットフォーマーがチカラを持つんですね。
上記の記事では、飲食店と食べログとの関係が書かれていますが、実は一番踊らされているのは、無意味なランキングや評価に振り回されているユーザーなんですよ。