非天マザー by B-CHAN

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労働生産性がなぜ大事か

在宅ワーク

 

 

新型コロナウイルス流行の中で、感染防止のため、在宅ワークが一般化し始めています。

そんな中、2つの真逆のトピックの記事が面白かったので載せておきます。

 

president.jp

 

 

news.yahoo.co.jp

 

 

前者は、在宅勤務なので、監視が無くなって、全然働かない人の話。

後者は、在宅勤務なので、常時ビデオ通話をオンにして監視しましょう、と言う話。

 

 

労働生産性

 

 

ボクは、以前から言っていますが、労働するコト自体は善でも悪でもありません。

大好きな仕事なら楽しんでやればいいし、嫌な仕事を苦しんでやる必要も無い。

 

ただ、例えば、同じ大きさの利益を生み出すのに、8時間働く必要がある人と、4時間で済む人がいれば、後者の方が生産性が高いです。

仕事が嫌いな人ならば、8時間かかるよりも4時間で同じ利益を生み出せればハッピーですし、仕事が好きな人ならば、8時間働いて2倍の利益を生み出せてハッピーです。

いずれにせよ、生産性が高いコトにはメリットがあるわけです。

 

上記の記事のうち、前者に関しては、働いていないので、その状態だと、成果が出ませんよね。

つまり、結果として、生産性が低い人、と言うコトになります。

成果が出なければビジネスは継続できなくなるので、給料などの収入もいずれ無くなります。

なので、働かないのは勝手ですが、結局、自分の首を絞めるコトになります。

 

一方、後者に関しても、実は同様のコトが言えます。

 

生産性を考えれば、決められた時間、ちゃんと働いているかどうかは関係が無いわけです。

さっきも書いたように、8時間働く人と4時間働く人が同じ利益を生み出すなら、4時間働く人の方が生産性が高いわけですから。

つまり、8時間働いているかどうかを監視するコトにほとんど意味はありません。

それよりも、8時間経過したときに、どれだけの成果を出しているかを見れば済むコトです。

同じだけの成果を出してくれれば、会社にとって従業員が4時間働こうが8時間働こうが同じだからです。

わざわざ監視すると、監視される側もストレスですし、監視する側も手間などのコストがかかります。

あまりメリットは無いんですよね。

 

A社は従業員100人の週休2日制で今期利益は1億円。

B社は従業員100人の週休3日制で今期利益は1億円。

 

後者の方が生産性が高いわけです。

従業員の負担も少なくて済みます。

 

なぜ、生産性を強調するか、わかりますか。

 

それは、日本が今後、世界でも類を見ない高齢化かつ人口減少国になるからです。

 

日本の年金制度はご存じのとおり賦課方式。

現役世代が年金受給世代に年金を払っているのです。

 

当然ですが、現役世代の人口が減って、高齢者つまり年金受給世代が増えれば、現役世代の負担が増えます。

例えば、今のまま行けば、20年後には、現役世代が月給のうち6割を天引きされてしまうとの試算があるくらいです。

もちろん、そんなコトになると、現役世代は生きていけません。

 

高齢者が年金をもらって天寿を全うするために、現役世代が生きられないと言う皮肉な国になるのです。

 

従来の日本は人口が増加する国でした。

人口が増加するなら問題は無いんですよ。

人口が増えると言う理由だけでマーケットは拡大してモノは売れるわけですから。

だから、100円ショップのような薄利多売ビジネスが成立します。

 

でも、人口が減少したら、薄利多売ビジネスは成立しなくなります。

そりゃそうですね。

買う人が減りますから。

 

つまり、従来の日本の成功モデルを、これからも同じように当てはめると失敗します。

人口増には人口増に合ったビジネスモデル。

人口減には人口減でも対応できるビジネスモデルが必要です。

 

いま、日本人の生産性は先進国でもかなり低いです。

日本製品は高品質ですが、同時に、生産性は低いのです。

 

だから、高品質な日本製品なのに安売りし、結果、従業員の給料も低い国になってしまいました。

 

さっき書いたように、それを今後も維持すれば、給料から6割も天引きしないと成り立たない国になります。

 

それを解決する方法は2つ。

 

  • 人口増加
  • 生産性向上

 

前者はかなり難しい問題です。これまでに対策を打って来なかったですし、これから対策に本腰を入れても、効果が出るのはずいぶん先になります。

なので、取り組むべきは生産性向上。

 

長時間働いて成果を出すコトでは無く、より短時間で同じ成果を出すコトが重要になって来るわけです。

 

どうすればそれが可能になるか。

 

ヒントは例えばAppleやルイ・ヴィトンなどにあります。

要は、高品質を安く売るのでは無く、高品質を高く売ると言うコトです。

同じ製品がより高く売れれば、従業員の給料も上げられますし、経済も活性化します。

人口が減ってもマーケットは小さくならないわけです。

 

Appleのスマートフォンは高額です。

しかし、そのおかげで従業員の労働環境や待遇も高いですし、大きな経済効果を生み出しています。

 

高く売るコトを悪く言う人もいますが、例えば、ダイヤモンドと言う宝石は、メールもSNSも何もできませんが、めちゃくちゃ高額ですよね。

それでも買う人はいますし、買って満足する人もたくさんいます。

 

価格はスペックに付随するのでは無く、需要と供給に連動するのです。

スペックだけでは無い、Appleやルイ・ヴィトンのブランドに対してファンはおカネを出すわけです。

 

まあ、仮に、これに賛同できないとしても、現実問題、高齢化人口減少社会の日本では、これをやらないと、持続できません。

 

せっかくの高品質な日本製品。

高く売らないと、もったいないんですよ。

 

ちなみに、アメリカは今後も人口が増加するので、アメリカの成功ビジネスモデルを無条件に取り入れても意味はありません。

あくまでも、Appleやルイ・ヴィトン(アメリカでは無いですが)などのように、高く売るビジネスモデル、言い換えれば、ユーザーが高いおカネを出しても満足できるビジネスモデルが重要となります。

 

長い時間、働いたからエラい、なんてのは何の意味も無い社会が到来しています。