線路の幅
ボクはいわゆる鉄道マニアでは無いので、鉄道車両の写真を撮りに行くコトはありません。
ただ、珍しい電車が走っていたら、Instagram用に撮影するコトはたまにあります。
一方、鉄道の経営の歴史を知るのは大好きです。
例えば、今の京王電鉄の井の頭線は、数十年前までは、今の小田急電鉄の路線だったんですよね。
だから、下北沢駅では、小田急線と井の頭線の乗り換えに改札が無かったんです。
最近のリニューアルで改札ができてしまいましたが。
また、今の下北沢駅のひとつ西側の駅は、小田急線が世田谷代田駅、井の頭線が新代田駅ですが、その2つの駅付近に、2つの線路をつなぐ線路が存在したんです。
つまり、小田急線と井の頭線とで車両が行き来できました。
そう言う経営の歴史を知るのは非常に楽しいのです。
渋谷駅を考えてみると、井の頭線と銀座線がどちらも空中にあります。
単純に考えると、井の頭線をそのまま伸ばせば、銀座線とつなげるコトができそうですよね。
もし、それができたら、吉祥寺から銀座に1本で行けるわけです。
ところがですね、線路の幅が違うんですよ。
井の頭線は狭軌。銀座線は標準軌。
車両の幅
鉄道各社、各路線によって、線路の幅は異なります。
東京エリアだと、多いのは、狭軌と呼ばれる幅です。
- 狭軌:1067mm:東急、東武、西武、小田急、井の頭線、JR在来線など
- 標準軌:1435mm:新幹線、京急、京成、銀座線、浅草線など
大まかに言えば、この2種類が多いです。
例外は京王線で、
馬車軌間:1372mm:京王線、都営新宿線
なんですよね。
京王線は都営新宿線とつながっているので、当然どちらも同じ幅です。
JRの在来線が狭軌であり、関東の鉄道も多くは狭軌なので、日本では全国的に狭軌の路線が多いですね。
ボクが生まれ育った関西では、阪急、阪神、京阪、近鉄が標準軌で、南海が狭軌ですね。
関東では、私鉄同士や私鉄とJRが乗り入れるコトが多いですが、それは、多くが狭軌で統一されているから可能なんですね。
関西では乗り入れは少ないですが、阪神と近鉄が標準軌同士で乗り入れていますね。私鉄とJRとでは幅が違うので乗り入れられません。
各社の線路の幅が異なるのは、歴史的な経緯によるんですよね。
まあ、それは興味のある人が読みものを読んでもらえれば。
ボクもこれまでずいぶん楽しみましたよ。
ボクが思うのは線路の幅と車両の幅の関係なんですよね。
各社が乗り入れをするためには、線路の幅が同じであるコトはもちろん、車両の幅の揃える必要があります。
そうしないと、ホームなどに激突してしまいますからね。
JRや私鉄の車両の幅は、3000mm弱です。
狭軌の場合は、線路の幅がほぼ1メートルで車幅が3メートル弱。
車幅が線路幅の3倍近くあるんですよね。
イメージとしては、細い線路に幅の広い車両が乗ってる感じですね。
標準軌の場合は、線路の幅がほぼ1.4メートルで車幅が3メートル弱。
つまり、車幅が線路幅の2倍程度。
狭軌と比べると、かなり安定感があるイメージです。
数字だけを見れば、狭軌の車両って、よく横に倒れないなあ、と思ってしまいますが、実際に横に倒れていないので、十分、安定しているんでしょう。
ところで昔、馬面電車と呼ばれていた車両が存在しました。
Googleで画像検索してみてください。
車幅がすごく細いですよね。
横に倒れないのか心配になります。
線路の幅は、狭軌よりもさらに狭い762mmです。標準軌の半分くらいしかありません。
ところが現在でも、その狭い線路幅の路線が存在します。
三岐鉄道です。
さっきの馬面電車と違って、こちらは車両の幅は広め。
車幅は2100mmほどありますね。
これも、狭軌と同じように、車両の幅が線路の幅の3倍近くあります。
これで日々、走っているので、それはそれで安定しているわけです。
さっき、馬面電車が横に倒れないか心配と書きましたが、よく考えると、三岐鉄道も同じ線路幅なのです。
てコトは、馬面電車と同じく、横に倒れないかと心配になるはずですが、なぜか現在の三岐鉄道の方は車両の幅が広いので、横に倒れるイメージはあまりありません。
よく考えたら、同じ線路幅ならば、上に乗る車両の幅が小さいほど倒れにくいはずですよね。
同じ線路幅の馬面電車と三岐鉄道。
前者の方が安定するはずです。後者の方が車両幅が大きいので不安定になるはず。
でも、写真を見てしまうと、細い馬面電車の方が倒れるイメージがある。
不思議ですよね。
今回は、ボクが何気に不思議だと思ったコトを記事にしてみました。
冒頭に書いたように、車両にはそんなに興味は無いんですが、今回は車両の話になりました。
今後、鉄道の経営面の話でも書いてみようかと思います。