リスクとリターンの関係
あなたは次の2種類の金融商品があれば、どっちを選びますか?
- 固定金利で毎年1%の金利がつく預金
- 変動金利で上限1%の金利がつく可能性がある預金
こんなの、考えるまでも無く、前者が有利です。
後者の方がリスクが大きいですよね。
同じリターン(利益)が得られるのに、わざわざリスクが大きい方を選ぶ人はいません。
では、株式投資をする人がいるのはなぜでしょう。
元本割れするリスクがありますよね。
しかし逆に大きな利益を得る可能性もあります。
つまり、リスクも大きいけど、リターンも大きいからです。
銀行預金はリスクは小さい代わりにリターンも小さいです。
大きなリスクをとる人には大きなリターンのチャンスがあり、小さなリスクしかとれない人はリターンも小さいのです。
ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンの原則ですね。
さて、ここで、このニュース。
今まで非正規社員の賃金は正社員と比べて圧倒的に少なかったのです。
それを正社員の8割まで引き上げようという話です。
はい、頭の良いみなさんは、この話のおかしさに気付きましたよね。
わざわざ冒頭でヒントを出しておきましたし。
そうです。
非正規社員は正社員と比べて、とてもリスクが大きいのです。
いつ解雇されてもおかしくないです。
リスクが大きいにも関わらずリターンは少ない。
逆に言えば正社員はリスクが小さいにも関わらずリターンは大きい。
変ですね。
企業は逆をやるべきだと思います。
正社員はリスクが小さい代わりに給料が安い。
非正規社員はリスクが大きい代わりに給料が高い。
これ、企業経営にもプラスですよね。
現状だと、正社員は給料が高いのに簡単に解雇できません。
経営状況が悪いときに苦しくなります。
もし非正規社員の方が給料を高くすれば、いざと言うときには解雇できます。
応募する方もそれを承知で応募します。
解雇されるリスクはあるけど、給料は高い、と。
逆に解雇はイヤだと言う人は、正社員に応募すればいいんです。
解雇しにくい代わりに安い人件費で済みます。
企業にとってもダメージは少ないですから経営が安定します。
倒産のリスクが減りますよね。
公務員
公務員の給料の議論も同じでいいと思いますよ。
現状、公務員の給料は世間の大企業の水準に合わせられています。
世の中の民間企業の給料が上がれば、公務員の給料も上がります。
実はそんなことをする必要は無いわけです。
民間企業は倒産リスクがありますよね。
公務員にはありません。国家破産のリスクはありますが、それは民間企業の倒産リスクと比べると圧倒的に小さく、限りなくゼロに近いわけです。
なので、公務員の給料の水準は低くて構わないわけです。
ローリスク・ローリターンですね。
公務員の給料は民間よりも低く設定し、その代わりに倒産リスクが限りなく低いというメリットがある、それが正常な状態です。
だから、高い給料を得て勝ち組になりたい人は、公務員にならずに民間企業に勤めるなり企業するなりして能力を発揮すればいいんです。