写真がアナログだった頃
ボクくらいの年齢(アラフォー)の世代って、いわゆるデジタル化の過渡期に生きてきた世代なんですよね。
例えば、幼い頃にはパソコンなんて無かったですが、今ではパソコン無しで生活できません。
カメラも、幼い頃はフィルムカメラ、今はデジタルカメラ。
電話も、幼い頃はアナログの音声電話、今はデジタルのデータ通信。
テレビもそうですし、オーディオもそうです。
ボクよりももっと若い人は、アナログ時代を知らないですし、ボクよりももっと年上の世代はデジタルを使いこなせてない人が多いです。
アナログとデジタルの両方になじんでいるのが今のアラフォーでしょう。
今回はその中で写真の話をするんですが、写真のデジタル化はホントに革命でした。
フィルムカメラの時代は、カメラの中にフィルムをセットする必要がありました。
もちろんフィルムは有料で、1本のフィルムで24枚もしくは36枚の写真が撮れます。
使い切ったら次のフィルムへ入れ替え。
また、撮ったフィルムが現像する必要がありました。
それももちろん有料。
とにかく手間とコストがかかるので、写真を撮ることは1枚1枚が真剣勝負と言えました。
なぜなら、撮影した写真の仕上がりをその場で確認できないからです。
フィルムを使い切って現像が終わって手元にやってくるまで、どんな写真が撮れているかはわかりませんでした。
例えば、構図やピントがしっかり合っていたつもりでも、現像してみたら真っ黒だったなんてことがよくありました。
露出不足ですね。
デジタル写真
それがデジタルに移行すると、どうなったか。
- メモリーカードがいっぱいになるまで数百枚でも数千枚でも写真が撮れる。
- メモリーカードがいっぱいになったらデータを外部のハードディスクなどに移し、メモリーカードを再利用できるので、コストが安い。
- 現像が不要なので手間もコストもカット。
- 撮影したその場で写真の仕上がりを確認できるので、失敗に気付きやすい。
- その場で確認できるということは、露出やシャッタースピードの調整の効果がわかり、テクニックを学びやすい。
- 写真が劣化しない。
- 写真を簡単に複製、転送できる。
特に、写真が劣化しないというのが、大きな特徴ですね。
フィルムの時代の写真は経年劣化によって写真の色素が落ちてセピア色になっていくんですよね。
古い写真はたいていセピア色ですよね。
それって、記録としての写真としては欠点なんです。正確な色を残せませんから。
しかしデジタルの写真は、極端に言えば1万年後の人類が見ても正確に再現できます。
ただし、フィルム時代の写真は物理的に紙に印画されるので、誰が見ても簡単に確認できます。
一方、デジタルの写真はそのままでは見ることができません。
データを画面に表示するか、紙にプリントして初めて見ることができるようになります。
今は多くの画像データが、jpg形式ですが、そういったデータフォーマットが1万年後も主流とは限りません。
要はデータフォーマットを再生する環境が無ければ見ることができないわけです。
自宅にまだ昔のVHSのビデオテープがある人もたくさんいるでしょうが、それらはDVDプレーヤーやブルーレイプレーヤーでは当然見られませんよね。
フォーマットの再生環境維持がデジタルデータの最大の課題です。
でも、いま生まれる子供たちは、最初からデジタルカメラで写真を撮られるわけですから、赤ん坊の頃の写真を数十年後に見てもセピア色にならず、まったく同じクオリティで残るわけです。
そう考えると、ノスタルジーが無いですよね。
テレビの番組でも昭和時代の番組がたまに再放映されると、アナログフィルムなので、画質が劣化しているのに気づくと思いますが、今のデジタル放送の番組は数十年後も今のクオリティが保たれます。
劣化しません。
幼い頃の写真を大人になってから見ると劣化しているかキレイなままか。
それがアナログ世代とデジタル世代の違いですね。