時空
いつも言っていますが、ボクは人間を理系とか文系とかに分けるコトはツマラナイと思っていて、どちらもやればいいじゃん!と言う人間です。
なので日々、物理学、歴史、数学、文学、経済学、IT、宗教、哲学、芸術、心理学など、ごちゃまぜに学習しています。
だいたい平均して10冊程度の本を併読している日々です。
本を読んだら、なるべく、ここに感想文を書こうと思ってるんですが、多くの人が学生時代にそうであったように、読書感想文って書くの苦手なんですよね。
なので、読んだ中から、なるほどね〜、と思ったコトを書くようにしています。
今回は、アインシュタインの相対性理論とカーナビの話。
アインシュタインは色んな理論を生み出していて、後年、その正しさが証明されているコトがすごいんです。
彼は学者とは言え、元々は公務員。
別の仕事をやりながら、物理を研究したわけです。
なので、高価な実験道具を使えるはずも無く、あくまでも頭で考えた理論を発表したわけですね。
もちろん、理論なので、きちんとつじつまが合わないとおかしいわけです。
彼の数ある理論の中で有名なのが相対性理論で、ざっくり言うと、時間と空間(時空)は絶対的なモノでは無く相対的なモノなんですよ、と言う話です。
それまでのニュートン物理学の世界では、1メートルは必ずどこでも1メートル、1秒はどこでも1秒と固定でした。
でも、そうでは無いよ、と言ったのがアインシュタインです。
距離も時間も、人によって異なるんです。
そして、その正しさが証明されています。
カーナビ
カーナビと言うのは宇宙空間を移動している米国の人工衛星を使って位置を知るシステムです。
アインシュタインによれば、重力が大きいほど、時間が進むのが遅い。
また、スピードが速いほど、時間が進むのが遅い。
すると、地上にいるクルマと人工衛星とでは、時計が合わなくなってしまいます。
人工衛星は宇宙を移動しているので、その分、時間が進むのが遅い一方、地上のクルマの方が、地球から大きな重力を受けているので、時間が進むのが遅い。
その差引きした分だけ、人工衛星とクルマのカーナビとで時間が狂ってしまいます。
その誤差は、39マイクロ秒です。
ちなみに、1マイクロ秒は100万分の1秒です。
たった39マイクロ秒、つまり、100万分の39秒の誤差なんて大したコトは無いと思われそうですよね。
でも、人工衛星とクルマの間をやり取りする電波は光と同じ速さ。
たったの39マイクロ秒の誤差でも、距離にして12キロメートルの差になります。
こんなに大きいと、とてもカーナビとして使えませんよね。
だから、相対性理論に基づいて、人工衛星の時計を調整しているわけです。
もし、アインシュタインが登場する前にカーナビが発明されていたら、なぜ12キロメートルもの差が生じるのか、謎のままだったわけです。
たまたま、アインシュタインが生まれたのが、カーナビの登場より前だった。
だから、精度の高いカーナビを作るコトができた。
そんな話です。
学問なんて何の役に立つんだ!と言う、ありがちなセリフ。
ボクから言わせれば、役に立たない学問なんてあるのか?と言いたいですね。
自分がサボりたいための口実。
勉強したくないための口実。
知識として得たコトが誰かの役に立つ。
それをモチベーションとして学んでみてはどうでしょうか?
ちなみ、今回の本は、これです。