テキトー、いいかげん
長い歴史の中で、言葉は変化します。
文字が変化したり、文法がズレたり。
その中で、ボクが気になっている言葉が2つあります。
- テキトー
- いいかげん
です。
逆の意味合いで使われる
適当、いいかげん、をそれぞれ辞書で見てみます。
てき とう ―たう 【適当】
(名・形動)スルナリ
ある状態・目的・要求などにぴったり合っていること。ふさわしいこと。また,そのさま。相当。
「―な例」「―な分量を加える」「君主政治なる者は殊に大国に―するの理を / 民約論 徳」
その場を何とかつくろう程度であること。いい加減なこと。また,そのさま。
「―にはぐらかす」「―なことを言う」
〔類義の語に「妥当」があるが,「妥当」は物事の判断・やり方などに無理がなく,適切である意を表す。それに対して「適当」はその場の,またはあるべき状態・性質・条件などにぴったり合っている意を表す〕
てきとう【適当】、いいかげん【好い加減】
適当刺激大辞林4.0 (C) Sanseido Co., Ltd. 2019
いい かげん 【好▽い加減】
(連語)
よい程度。適度。よいかげん。
「風呂は―だ」
(形動)
ほどほどにしたいさま。その程度ぐらい。
「もう―にしろよ」「―なところで今日は切り上げよう」
無責任なさま。でたらめ。
「―なことばかり言う」「仕事がいつも―だ」
徹底しないさま。中途半端。
「―なことでは白状しない」
(副)
限度を超えていて,もうたくさんだという気持ちを表す。かなり。相当。大分。不満な気持ちを込めていう。
「―疲れた」「―待たされた」「―いやになる」
―さ(名)
いいかげん【好い加減】大辞林4.0 (C) Sanseido Co., Ltd. 2019
どちらも、良い意味なんですよねえ。
なのに、現代社会では、例えば、
「テキトーな発言」
と言えば、良くない発言だと捉えられます。
ホントは適切な発言と言う意味なのに。
また、
「いいかげんな発言」
と言えば、これまた良くない発言だと捉えられます。
ホントは、良い加減の発言なのに。
言葉の文字が変化したり、文法がズレたりするケースはたくさんありますし、ボクもそれは歴史の必然かと思いますが、これらのように、意味が逆になって使われるケースは、その理由を知りたいですね。
知っている人、教えてください。
また、同様の他のケースがあれば、それも教えてください。