人体は単なる自然界の物質
人間の体って魔法で動いているわけではないです。
たんぱく質など、普通に自然界に存在する物質でできていて、電気信号が流れて、超高速に各種処理を行い、人間の動作として現れるわけです。
その動作原理は物理法則に従います。
人間が重力に逆らって浮くことはできませんし、血液の流れも神経の反応も全て物理法則に従います。
つまりそれを再現すれば、コンピュータは人間の代わりになります。
実際、昔は人間が行っていた仕事を今では多くのコンピュータが処理してくれます。
それは人間が行う仕事の物理動作をコンピュータに反映したからです。
で、その人間が行う処理の中で最も難しいのは何か。
例えば、人間は計算をできますが、コンピュータはもっと速く正確にできます。
人間は文字を書けますが、コンピュータはもっと速く正確に書けます。
人間もコンピュータも将棋をすることができます。
人間もコンピュータも車を運転することができます。
客観的に判断できる材料さえ揃えば、処理速度の高速化により、コンピュータはなんでもできるようになります。
多様性
その中で一番難しいのは、美の判断です。
なぜなら、美の判断は人間同士ですら判断が分かれるからです。
赤い花を見て美しいと思う人もいれば、そう思わない人もいる。
同じ人間の顔を見ても美人だと思う人もいれば、そう思わない人もいる。
つまり、画一的な処理回路を使うコンピュータで、人間の誰かを完全に再現したとしても、その人にしかなりえないんですね。
Aさんを再現して作ったアンドロイドは、何台作ってもAさん。
その美的センス(という名の処理回路)もAさんと全く同じモノが何台もできます。
コンピュータが発達して、将来、人間にとって変わる可能性が考えられますが、その最大の障壁はこの問題ではないでしょうか。
人間も自然界の物質を使って形成されていて物理法則に従って動く物体なので、理論的にはコンピュータも同じ。
しかし、複数存在した時の秩序が異なるんですよね。
人間はすべて異なるのに対し、コンピュータやアンドロイドは意図的に異なるモノを製造しない限り、全く同じ。
多様性がありません。
多様性が無いからアイデアも広がりません。
批判も起こりません。
そう思えば、まだまだ高い人間の壁。
面白いと思いませんか?