奴隷労働
今治タオルのとある下請企業が外国人労働者に対して奴隷的な労働を行っているコトがNHKで放送され、今治タオルを、
不買運動
する人たちが発生しました。
まさにテレビに踊らされる愚かな大衆の見本ですが、情けないですね。
人間の心を持つなら、そんなバカな行為はやめて欲しいです。
なぜバカなのか、明確に理由を書きます。
不買運動
昨今のブラック企業もそうですが、奴隷労働においては、経営者に重大な問題があります。
ひどい労働をさせる経営者と、ひどい環境で働かされる労働者。
重要なのは、ひどい経営者を改めさせるコトと、ひどい環境で働く労働者の救済です。
それを肝に銘じてください。
こんな例を考えましょう。
とある銀行の支店に銀行強盗が入ったとしましょう。
銀行強盗を退治するために、従業員やお客さんもろとも銀行の建物を爆破したとしたらどう思いますか?
全員死亡。
見事に銀行強盗を退治できました。めでたいですか?
違いますよね。
解決方法が間違っています。
不買運動もこれとまったく同じコトです。
今回の事件は、とある下請企業で行われている悪質な行為です。
だから、その会社の経営者を改めて、労働者たちを救う必要があります。
ところが今治タオルそのものを不買運動する人たちがいます。
今治タオルそのものを不買なんかしてしまったら、
まず、当該企業に収入が入らなくなります。
経営者を追放して、正しい経営に直して、外国人労働者を含む労働者たちにきちんとした環境を提供するのが本来の道筋なのに、当該企業に収入が入らなくなると倒産のリスクが生まれます。
つまり、経営者だけではなく、該当の外国人労働者も他の労働者もすべて路頭に迷います。
苦しんでいる人たちと罪の無い人たちを巻き込んで破滅させる行為です。
まさに銀行爆破ですよね。
大事なのは、経営者を処罰して、労働者を守るコトなのに。
そして、不買運動は、同じ今治タオルの他の企業の労働者たちも苦しめます。
同じ業界と言う理由だけで罪も無い多くの善良な労働者を苦しめて良いのですか?
自動車業界で、例えばトヨタの下請の1社が奴隷労働を行っているからと言って自動車の不買運動をすれば、日産やマツダやホンダの善良な従業員も苦しみます。
それで良いのですか?
もちろん間違いです。
これを読んでいるあなたの業界は何でしょうか?
あなたの業界の他社の下請が悪事を働いたら、あなたも路頭に迷う必要があるんですか?
違いますよね。
不買運動なんてのは愚の骨頂。
現在、悪いコトをしている経営者のせいで、今治タオルが衰退してしまったら、歴史の初期に今治タオルを作り上げた、何の罪も無い先人の努力もムダにするコトになります。
いま現在の一部の悪人のために過去の多くの善人を犠牲にするのですか?
悪事を正すには、悪い行いをしている人間を是正すべきであって、善良な人たちを巻き込むのは間違いです。
でも、不買運動する人たちは、それをやっているのです。
つまり、すでに苦しんでいる人たちにさらに追い打ちをかけ、しかも善良な人たちにも苦しみを与えているのです。
愚かですよね。
テレビを見て表面的で薄っぺらい思考力で踊らされるバカな大衆になるのはやめましょう。
もしあなたに人間の心があるのなら、きちんと悪をこらしめ、善人を救う、そんな人になってください。
間違っても不買運動と言う悪質で卑劣な行為はやめましょう。
不買運動をしている人たちは罪の無い人たちを苦しめる点で、奴隷労働の経営者とまったく同じだと気付きましょう。
そんなわけで、ただでさえ苦しんでいる人たちがいるのに、さらに追い打ちをかける世の中の愚かな大衆にボクは心を痛めています。
人は間違いを犯す生き物です。でも間違いを正せる生き物です。だから、不買運動の愚かさに気付いた人は、すぐにやめて、他の不買運動している人たちを止めてください。
テレビを見て踊らされている自分に気付きましょう。