ご飯の朝食と健康の関係
先日のこの記事は読んでもらえましたか〜?
では今回は、因果関係と相関関係。
ボクのこのブログで良く登場する言葉であり、世の中の多くの人が間違っているのでは無いかと思える言葉です。
どんどんロジカルシンキングを身に付けてくださいね。
こんな例を考えてみましょう。
過去10年間に一度も病気をしたことが無い10人の健康な人に尋ねたところ、10人中8人が朝食にパンでは無くご飯を食べていることがわかった。
この手の話があると、多くの人が、朝食にご飯を食べることが健康につながっている、と考えがちです。
つまり、ご飯は健康の要因となっている、ご飯と健康には因果関係があると考えるんです。
だから、健康のために、朝食はパンでは無くご飯を食べようと考えます。
では、こちらの例はどうでしょうか。
殺人犯10人を調べたところ、10人中8人が朝食にパンでは無くご飯を食べていることがわかった。
もし、さっきの例と同じように考えるのなら、殺人の要因がご飯であることになってしまうのです。
でも、賢いあなたなら、わかりますよね。
ご飯は殺人の要因では無く、殺人犯の多くが、たまたま朝食にご飯を食べていただけ。
ご飯と殺人には何ら因果関係は無いと。
この2つの例、実は、本質的には同じ事を言っています。
なのに前者は因果関係だと考え、後者は因果関係は無いと考える。
変でしょ。
変なんですが、多くの人が、前者のような先入観を持ちがちです。
ご飯じゃ無くても同じです。
健康な人に毎日食べているモノを尋ねたら、
- 納豆
- トマトジュース
- ゴマ
など、それっぽい食べ物が出てきます。
だから、テレビでそういう番組が放映されると、その食材が売れるわけです。
でも、実際には上で説明したように、因果関係があるかどうかは証明できないわけです。
健康な人が食べているモノが、たまたま納豆であるだけかも知れません。
2つの要素の間に数値の関連性があることを、
相関関係
と言います。
最初の例で言えば、健康な人とご飯との間には相関関係があります。
2番目の例で言えば、殺人とご飯との間には相関関係があります。
しかし、相関関係があるからと言って因果関係があるとは言えません。
この、因果関係と相関関係を混同するひとが、めちゃくちゃ多いわけです。
東大入試に合格した人の過半数は●●新聞を読んでいた。
だから●●新聞を読もう!
これもおかしいわけです。
なぜなら東大合格と●●新聞が因果関係である証明がなされていません。
単なる相関関係かもしれないわけです。つまり、たまたま東大合格者に●●新聞購読者が多かっただけ。別の年に調べたら、▲▲新聞が一番多いかもしれないわけです。
踊る自由、ほくそえむ自由
こうやって大衆は根拠の無い煽り文句に踊らされます。
テレビ番組で紹介された店に行列ができるのを見て、ほくそえんでいるのはボクだけでしょうか。
あ〜、マスコミに大衆が踊らされてるな〜。
ま、踊らされるのは個人の自由なので、踊らされるのを止める権利は誰にもありません。
もちろん、ほくそえむのを止める権利も誰にもありません。
世の中には、踊らされる人と踊らせる人がいるのです。
あなたはどちらでしょうねえ。
ボクが右手を上げたら、風が吹きました。
それが3回続きました。
ボクが右手を上げたから、風が吹いたのでしょうか?
違いますよね。
たまたま一致しただけです。
風が吹くときにたまたまボクが手を上げただけです。
これなんかは、わかりやすい相関関係なので、誰もがわかるんです。
でも、健康とご飯の朝食だと気付かない人が多いんですよね。
同じ話なんですけどね。
あ、勘違いしないでくださいね。
ご飯の朝食が健康のためにならない、と言ってるのでは無いですよ。
この記事の主旨は、あくまでも、相関関係と因果関係の混同の話ですよ。
相関関係が見られる現象を無条件に因果関係だと思い込む人が多い、と言う話です。
もちろん、相関関係があって因果関係もある事象もたくさんあります。
この点は、間違えないでくださいね。
2つの要素の間に因果関係があれば相関関係が必ず成り立ちますが、2つの要素の間に相関関係があっても因果関係があるとは限らない、と言うことです。
ある命題が真であっても、その逆が真であるとは限らない、わけです。
こちらの記事をどうぞ。
と言うわけで、みなさん、朝ご飯を食べましょう!
と、最後に話をややこしくしてみる。
※相関関係には相関係数があって、その範囲は、-1から+1までです、と言う説明もしたいんですが、長くなるので、それは別の機会にするってことで。