ニワトリを飼っていた人
ボクが幼い頃、近所に、ニワトリを飼っている人がいました。
ごく普通の住宅街の借家で飼っていました。
毎朝、鳴くのです。
当時のボクには、それが普通のコトだと思っていました。
何年か後、ニワトリが寿命を終えました。
ニワトリを焼いて配った
その人は、飼っていたニワトリが死ぬと、焼いて、焼鳥にして、近所に配り歩いたのです。
近所の人々は不気味に思って誰も受け取りませんでした。
ボクも幼心に、ペットとして飼っていたニワトリを焼いて食べる気になれるのかな、と思っていました。
しかし、数十年経って振り返れば、日本中で膨大な数のニワトリが残酷な環境で鶏卵を生まされたり、食肉として育てられている中で、普通の民家で育てられて、その肉まで食べられたニワトリは有意義だったのかも。
もちろんそれも人間目線ですが。
世の中の誰かが、屠殺を職業としています。
それは、ボクらの代わりにやってくれているわけで、だからボクらは肉を食べられるのです。
単純に、飼っていたニワトリを焼いたから不気味、とはちょっと違うのかなと感じる今日この頃です。