数学
たいていの学問は、じっくり時間をかければ、誰もが習得できると思います。
それでも世の中には、人によって得意な分野と言うモノがあり、それは、好みやセンスで分かれます。
特に数学と言う学問は、センスが問われがちなのかな、とボクなんかは思ってしまうんですが、その一例を書いてみます。
速度と加速度
これは、数学と物理学に渡る話ですが、速度と加速度と言う概念です。
速度とは、どれくらいの速さで移動しているかを示すモノですが、これはわりと誰でもが理解できるのです。
ところが、加速度となると、ちょっと難しくなります。
難しいと言っても、高校生レベルなんですが、正確に理解できないと、そこで数学での挫折を味わうと思います。
もしかしたら、数学を苦手として文系しか考えられなかった人には思い当たる節があるかも知れません。
加速度とは、速度の変化量ですね。
時速100キロメートルのクルマが1分後に時速105キロメートルになったのなら、1分間の加速度が時速5キロメートル分ですよね。
ところが、さらにその1分後に時速106キロメートルになったのなら、1分間の加速度は時速1キロメートル分なので、加速度は落ちています。
ここで感覚的に理解できる人とできない人に分かれます。
つまり、このクルマはずっと速度は増しているんです。
単に加速度が落ちただけです。
加速度が落ちたのと速度が落ちたのとでは違います。
速さが落ちたのでは無く、速くなり方が落ちたのです。
あなたはどうでしょうか?
この時点ですんなりと理解できているでしょうか?
この手の話でよくあるのが、マーケットシェアの話。
A社のマーケット台数シェアは30%だったが1年後には20%に落ちた。
これを聞いただけで、A社は業績不振と思った人は、センスが無いと思われます。
なぜなら、シェアはあくまでも相対的な数値だからです。
例えば、A社の販売台数は30台から60台に増えた。
しかし、他社の台数が70台から240台に増えた。
これだと、確かにA社のシェアは20%に減っているわけですが、台数としてはA社は倍増しているのです。
むしろ業績は伸びているわけですね。
これらの事例は、実はじっくりと時間をかければ、たぶん誰でも理解できると思います。
しかし、自分は数学が苦手だからと言っている人は、端からそれを避けがち。
結果として、センスが磨かれないまま時を過ごすコトとなります。
自然界を理解するコトはこの世界の仕組みを理解するコトに他ならないので、自然科学の分野はできるだけ多くの人が身に付けておいて欲しいと思うんですが、なかなかもったいない現状だと思います。
ボクは大学は経済学部の出身ですが、常に人文科学も社会科学も、そして物理学や数学なども常に学んでいます。
最近も宇宙論、量子力学、宗教学、心理学や音楽や絵画にハマっています。
自分の生きる道をわざわざ狭めるのは、一度きりの人生を送る上で、損だと思うんですよね。
もし、あなたが、自分はこう生きるべき、と既成概念に囚われているのであれば、ぜひ、他に目を向けてみてください。
世界が広がるかも知れませんよ。