非天マザー by B-CHAN

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ボクが反社会勢力に勤務した話

就職活動

 

 

前回の記事にも書きましたが、ボクは大企業から外資系からベンチャーから零細から個人事業主から、とにかく様々な仕事を経験しています。

サラリーマンだけで4回も倒産を経験しています。それも上場企業で。

なので、本人の意向とは関係無く、必然的に転職が増えたのです。

 

さて、このところ、お笑い芸人の闇営業で、反社会勢力との関わりがあったとのコトで所属事務所と契約解除されたニュースが話題になっています。

このニュース、ちょっと勘違いされがちですが、

 

  • 闇営業
  • 反社会勢力

 

は別の話です。

 

まず、闇営業に関しては、闇営業と言う言い方が印象が悪いですが、別の言葉で言えば、直営業ですね。

つまり、事務所を介さずに営業を行ったと言うコトです。

直営業は単なる契約違反であって、違法行為でも何でもありません。

世の中の多くの事業取引きにおいて、契約違反に関して定められています。

契約違反をした場合に、違約金が発生するわけですね。

つまり、契約違反は違法では無いので、もちろん、法的に非難を受ける筋合いのモノではありません。

 

お笑い芸人の件も、闇営業つまり直営業に関しては、事務所と芸人の、単なる契約違反なので、当事者同士の問題であり、社会がどうこう言うのは、全くのお門違いです。

 

社会的に問題なのは、反社会勢力との接触ですね。

これは当然、グレーもしくはブラックな案件なので、社会的に非難されても仕方が無いでしょう。

 

報道やネット上では、闇営業を叩いている人たちがいますが、正しく理解していないのかなあ、と。

 

 

反社会勢力との関わり

 

 

ところで、ボクはこのお笑い芸人とは何の関係も無いので、特段、擁護する理由は無いんですが、事実を正確に把握しない段階で、推測なのに断定的な言い方はしたくありません。

それは、この芸人に限らず、誰が当事者でも同じコトです。

推測だけで断罪するのは良く無いですよね。冤罪を生みますから。

 

ボクが転職活動中に体験したコトを書きます。

転職活動にはエージェントを使っていました。

リクナビNEXTと言う業界トップクラスの大手有名エージェントです。

 

リーマンショック後の活動だったので、100年に1度の大不況の中、なかなか転職できなかったんですが、ついに、東京の新橋にある小さな会社から内定をもらいました。

 

社員と役員が1人ずつ出てきて面接。無事、内定。

さっそく出社すると、他に内定をもらった人が1人。小さな事務所なので、社長も同じ事務所にいました。

リクナビのサイトに書かれていた名前の社長でした。

そりゃそうですね。

 

しかし、実は、その人は実権者ではありませんでした。

社長の上に会長と言うのが存在したのです。

それは、転職活動中には記載されておらず、ボクも初めて知る人でした。

会長は、恰幅の良いスキンヘッドで、ボクは心の中で、

 

「ヤクザっぽいなあ。」

 

と思いましたが、もちろん見た目では何も判断できないので、そのまま業務に就きました。

3週間ほど過ぎた頃、ボクを面接した役員が、ボクをこっそり呼び出し、言いました。

 

「実はあの会長は元暴力団員で、脱税容疑でもうすぐ逮捕される。キミのやっている仕事は、実は、その片棒を担ぐコトになる。」

 

ボクは驚きました。

まあヌケヌケと。

そこで初めて、ネットで、その会長名で検索してみたら、確かにヤバい過去が色々と出てきました。

 

ああ、これは辞めるしか無いな。

 

そう思いましたが、理不尽そのものです。

入社するまで、会長の存在すら知らないので、事前にそんな事情を知りようも無い。

有名な大手転職エージェントを利用している。

これで反社会勢力と関わったと言われても、ボクにはどうしようも無いですし、他の転職組も同じです。

隠されているコトは知りようも無いのです。

友人にも相談しましたが、当然、辞めるしか無いとのアドバイスでした。そりゃそうです。

あまりにも理不尽ですが、その場で立ち去ってしまえば1ヶ月まるまる無償奉仕です。

なので、せめて数日待って、口座に給与が振り込まれてから辞めようと決めました。

数日後、口座を確認すると、給与の入金が確認できたので、会長が出社して来る前に、辞表の書き置きを残して会社を去りました。

 

そんな事情があっても、短期(1ヶ月)間での自主退職です。

当然ですが、失業保険なんて出ません。

ハローワークにも説明しましたが、そんな特例は無し。

 

結局、ボクの履歴書には、ボクの本意では無い転職歴が、しかも短期で載るコトになってしまいましたよ。

当然、次の転職活動はさらに困難を極めるコトになりました。

 

そんなわけで、悪の意思があれば、悪い会社であってもしがみつくのかも知れませんが、ボクは道を踏み外す意思なんて持ち合わせていないので、苦しくなるコトを知りながら反社会勢力から退職しました。

もちろん、苦渋の選択です。

 

まったく、踏んだり蹴ったりです。

どんなに苦しくても、悪いコトに手を染めずにマジメにがんばって生きて来たのに。

 

お笑い芸人がどのような経緯で反社会勢力と接触したのかどうかは不明です。

ただボクは、上記の様な経験をしているので、反社会勢力と接触しただけで悪いと言う断定はできません。

それは上にも書いたように擁護ではありません。

誰に対しても同じです。

罪は確定してから断罪すれば良いのです。想像だけで断罪するのは、この法治国家では道を踏み外している行為かと。

 

残念ですが、正直者が損をする、そんなコトがこの世の中で起きています。

それを知っておいてもらえれば。

 

もしかしたら、これを読んでいるあなたも、あなたが知らないだけで、反社会勢力と関わりを持っているのかも知れません。

そんなあなたが罰せられない社会になるべきだと思います。