差別
文明が進化すると、差別問題、ヘイト問題がクローズアップされます。
これは良いコトです。
たまに、差別の意味を間違えている人がいます。
ただし、ボクがここで書くコトは、国語辞典的な定義では無く、実態としての使い方に関する考察だと思ってください。
単に、客観的に異なるモノを分けるコトも、国語辞典の定義としては正しいです。
なので、区別と言う意味での差別なら、問題はありません。
では無くて、悪い意味での差別を問題とします。
区別と言う意味では無い悪い差別とは、差別される側に対処の方法が無い事例を指します。
例えば、性差別。
どちらの性に生まれて来たかは、本人の裁量でも努力でもどうしようも無いので、性差別は悪いわけです。
一方、全面禁煙は喫煙者差別だと言う人がいますが、これは、喫煙をやめれば済む話なので、そう言う意味では差別ではありません。
ご主人、奥様
時代が進んで、社会が健全化すると、昔は平然と行われていた差別が浄化されていきます。
ハンセン病患者への差別も、昔は、悪気も無く行われていましたが、今では、やればアウトですね。
性別による役割、例えば、女性は家を守り、男性は外で稼ぐ、と言う考え方も、時代と共に崩れました。
文明が進み、人々がそのおかしさに気付くわけです。
しかし、そんな状況でも、ボクがずっと違和感を持っている言葉があります。
それは、
- ご主人
- 奥様
なんですよね。
性が異なる既婚者への呼称ですが、ボクはずっと違和感を持っています。
だって、どう見ても、非常に差別的でしょ?
どちらの言葉も語源的には相手を敬う意味合いなんです。
なので、作られた当時は問題が無かったんでしょう。
そう言う時代だったんです。
ハンセン病患者を差別していた人たちも、そう言う文化の中にいただけで、悪気は無かったわけで、時代が進んで、人間がより賢くなると、悪いと気付く。
ご主人、奥様と言う言葉も、現代では非常に差別的です。
既婚者の男性側をご主人と呼び、女性側を奥様と呼ぶ。
この現代でも、それは変わっていません。
差別用語に細心であるはずのマスメディアですら、何のためらいも無く使用しています。
放送禁止用語の定義もあります。
なのに、ご主人、奥様は平気で使われますよね。
別に、男性が主で、女性が奥でも無いのに。
かつて使われていた言葉が、現在では放送禁止用語になっているのだから、これらも同じ扱いで良いと思うんですよね。
ただ、そうすると、敬う意味での代替語が見つからないんですよ。
夫様、妻様、で良い気もするんですが、定着していません。
見渡すと、おかしな言葉ってたくさんあるんですよ。
例えば、マラソンと言えば男子を指し、女性のマラソンだと、女子マラソンと言うのが一般的です。
男性が基本で女性は後付け。
社長もそうですよね。女社長と言いますけど、男社長とは言わないですよね。
女子アナと言っても男子アナとは言わない。
ね。まだまだオトコが中心でしょ。
女性が強くなった、と言われますが、それは現在と過去との相対的な話に過ぎません。
現在の男性と女性との扱いの差を見れば、まだまだ男性が強いのです。
いや、強く扱われているのです。
その証拠に、入試などで女性差別が発覚すると、声を上げるのは大半が女性でしょ。
なぜ男性も声を上げないんでしょう?
変でしょ。
イクメンなんて言う不気味な言葉がもてはやされますが、イクジョなんて言葉はありませんよね。
育児は女性の仕事と決めつけられているからですよ。
ボクは、記号としてのオトコと言うカテゴリーの生き物ですが、こんな世の中が気持ち悪くて仕方がありません。
だからと言って死ぬわけにもいかないし、死んでも意味が無いので、ここで提言しているわけです。
まずは、ご主人、奥様、に代わる、現代社会でも差別的では無い呼称を作りませんか?
ボクは、妻様、夫様、を一般化すれば良いと思っていますけど。