同じ行為と異なる結果
哲学書は非常に楽しく、ボクが昔から思っている疑問を問題定義してくれます。
ボクが昔から思っている疑問のひとつが、
同じ行為なのに異なる刑罰
の事例です。
実はたくさんあるんです。
と言うより、ほぼすべてそうです。
例えば、A氏とB氏がそれぞれ酒を飲みに行き、酔っ払ったままクルマを運転して帰路についた際、A氏は信号無視をして歩行者をひいてしまい、ひかれた人は命を落とし、B氏も信号無視をしたけど、たまたま歩行者がいなくかった。
この場合、A氏は刑務所に行き、B氏は行政処分です。
2人はまったく同じコトをしたんですよね。酔っ払い運転。
なのに結果は違います。
たまたま歩行者がいたA氏は重い刑罰、たまたま歩行者がいなかったB氏は軽い処分。
と言うコトは、罰の重さは、運で決まるコトになります。
罰の重さが運で決まって良いのでしょうか。
風の日
ボクが昔、ニュースを見て疑問に思ったコトがあります。
何年前でしたっけ。
スーパーの外に、セール中か何かののぼり旗が立ててあったんですね。
こんな感じですかね。
それが強風で飛んでしまい、竿が歩行中の人に刺さって、その人は亡くなってしまったんです。
悲劇としか言いようがありません。
確か、スーパーの店長が書類送検されたと思います。
世論としては、この店長が非難を浴びました。
まあ、店長がのぼり旗をしっかり固定しておけば悲劇は防げたので、その点では非難を浴びても仕方なさそうです。
と言っても、たぶんその店長も意図的にゆるく旗を立てたとも思えないですし、まさか自分が立てた旗が強風で飛んで誰かに刺さるとは予想すらしていなかったはずです。
予想していたら飛ばないようにしていたはずなので。
ボクが思ったのは、全国の他ののぼり旗のコトです。
全国に何万本もあると思われるのぼり旗のすべてが強風に耐えられるように設置されていたとは思えないんですよね。
全国の数万本ののぼり旗の中で、このスーパーの旗だけが唯一、強風に耐えられないような設置で、他はすべて耐えられるような設置だったのか。
とてもそうは思えません。
他にもたくさん、問題のある設置方法ののぼり旗はあったと思うんですよね。
ただ、たまたま、強風が吹かなかったとか、強風で外れたけど、たまたま人に刺さらなかった、と言うのが現実では無いでしょうか。
同じように設置したのに、たまたま人に刺さらなかったら、おとがめ無し。たまたま人に刺さったら、おとがめあり。
やはり、罰が運に左右されるんですよね。
ボクは、ここでは、何が善で何が悪かを議論したいのではありません。
同じ行為をしたのに、運によって罰が異なるコトに問題があるのでは無いかと言う問題提起をしているわけです。
何度も言ってるんですよ。
飲酒運転に関しては、例え事故を起こさなくても事故を起こした人と同じ刑罰を科せば良い、と。
この考え方、みなさんはどう思うでしょうか?