印影
コロナウイルス騒ぎで自宅での仕事、いわゆるテレワークが浸透しつつあります。
そんな中で、印鑑を押すために出社する人がいると話題になっていますね。
印鑑を押す文化って世界中でどれくらいあるんでしょう?
ほとんどの国は印鑑が無くても成り立ってますよね。
ボクは昔、銀行員でしたが、例えば銀行では、入金の際には印鑑は不要です。
そりゃそうですよね。
入金するわけですから、仮にそのお客さんがニセ者でも、誰も損しません。
でも、出金の際は、通帳と印鑑の両方が必要です(もしくはキャッシュカードと暗証番号)。
これは、お客さんがニセ者の場合は引き出せないようにするための措置です。
印鑑と通帳の両方を持っているのは本人もしくは家族、と言う認識です。
ビジネスでも、日本では印鑑が使われます。
ルーチンでは角印を使いますが、重要取引きでは社長印が必要ですね。
でも、落とし穴があります。
印影です。
偽造
インターネットの時代になって、パスワードが問題になるコトが増えました。
例えば、パスワードを4桁の数字、1234などにしてしまって、カンタンにバレてしまうコトがあります。
パスワードは桁数が多ければ多いほど、破られにくくなります。
一方の印鑑。
印鑑本体は1個しかありません。
しかし、印影は残りますよね。
印影とは、紙に印鑑を押して付いた朱肉です。
売買契約などでは、売り主、買い主、双方が契約書を保管するコトが習慣となっていますが、これは、お互いが証拠を残すためです。
そのため、相手型にも自社の印影が保管されるわけdす。
考えてみてください。
現在のテクノロジーで、印影を元にまったく同じ印鑑を偽造するコトなんて、いともカンタンだと思いませんか?
20桁のパスワードを突破するよりも、印鑑を印影から偽造する方がはるかに容易です。
でも、日本の商習慣では印鑑が本人の証拠に使われます。
これ、セキュリティ的には最低レベルなんですよね。
そして、冒頭に書いたように、現物が必要なため、感染リスクを承知で印鑑を押すために出社。
さっそく、印鑑を廃止すると宣言した会社が現れ始めましたが、当然の流れだと思います。
セキュリティ的にも実務的にも、特段メリットの無い印鑑。
印鑑は日本の文化だから残せ、と騒ぎそうな人もいますが、そもそも印鑑は中国から入って来たモノなので、日本の文化とも言えません。
馬車に乗る人がいなくなってクルマになったように、文明は進化します。
そろそろ、社会のパラダイムシフトのタイミングでは?
印鑑はまさにその象徴だと思います。