30万円
政府は、今回のコロナウイルスによる被害に関し、所得が減少した家庭に30万円を給付する案を取りやめ、国民全員に一律10万円を給付すると決めたようです。
この手の話で決まって出てくるのが、公平・不公平論ですね。
世の中にはいろんな人がいて、それぞれ、感情が違うので、公平だと言う人もいれば、不公平だと言う人もいます。
そこで、いつもどおり、このブログでは、感情論を抜きにして、ロジックでボクの考え方を書いてみます。
10万円
まず、表面的に考えれば、国民全員に一律10万円なので、文句無く公平です。
ただし、それは金額と言う一面を見た場合の話。
例えば、こんな話を考えてみましょう。
大震災の被害に遭って、財産を失った人が1万人いるとします。
そこで、政府は、その1万人だけでは無く、国民全員に100万円を給付するコトにしました。
はたして、国民全員に同額を給付しているので公平、と言えるでしょうか。
この場合、被害に遭った人と被害に遭わなかった人が存在しています。
被害に遭った人は、損をしており、被害に遭わなかった人は損をしていません。
だから、被害に遭った人だけに給付するコトで、被害に遭わなかった人になるべく近づける。
つまり、被害者だけに給付するコトによって、公平に近づくわけです。
国民全員に同額を給付するコトが公平では無いわけです。
ボクはボランティアの関係で、病気の人や身体障害者のコトをよく考えます。
生まれつき病気を持っている人。生まれつき障害を持っている人。
これらの人々は特別視されがちなんですが、逆に考えてみてください。
健常者は、たまたま運良く健康な身体を手に入れただけなんです。
つまり、健常者は生まれつき、トクしているんです。
だから、病気の人や障害者に特別に配慮するコトによって、できるだけ健常者に近い生活ができるようにサポートする。
それによって公平に近づくんですね。
全員に同じコトをするのが公平なのではありません。
たまたま運悪く損をした人にだけサポートするコトによって、たまたま損をしなかった人と同じ状態に近づける、つまり公平な状態にする。
これがホントの公平です。
全員に同じコトをするのが公平ではありません。
今回のコロナウイルス騒ぎでも、民間で収入が途絶えて損失を出している人もいれば、公務員のように何も損しない人もいます。
損した人にだけサポートするコトによって、損していない人に近づける。
つまり公平化する。
これがホントの公平だとボクは思うんですよね。
なので、一律、全員に10万円を配ると言うのは、実は公平では無いわけです。
損した人だけに給付して、損していない人に近づけるのが公平です。
ただし、念のために言いますが、ボクは今回の一律給付に反対しているわけではありません。
給付のスピードを考えれば、所得の選別をするより一律で給付した方がずっと早いです。
つまり、不公平さよりもスピードを重視したと解釈しています。
また、さらに念のために言っておきますが、病気を持って生まれてきたとか、障害を持って生まれてきたコトを損と書いてしまいましたが、話をわかりやすくするための事例であって、病気や障害が、必ずしも損とか不幸とは限らない、人それぞれの価値観による、と言うコトも記しておきます。
ボクだって、何度か病気もしていますし、多少の障害も持っていますが、それと幸せ不幸せとは別なので。
と言うわけで、一律10万円給付は、金額面だけで見れば公平に見えるけど、諸処の事情を勘案すれば、ホントは不公平。
ただし、スピードが重視されるので、その決定にボクは反対しない。
と言うお話でした。
みなさんは、どう考えるでしょうか。
一応、ボクの感情論では無く、きちんとロジックで説明したつもりなので、このロジックのどこかにおかしさがあれば、教えてください。