変なグラフ
ボクは、上昌広と言う人を全然知らないんですが、変なグラフを使ったコトで話題になりました。
それに対して、多くの人が非難しているわけですが、例えば、この人も、そのひとり。
この、ひろみさんのコトもボクはまったく知りません。たまたま見つけて、さっき初めて知りました。
変なグラフを非難するひとりです。
ボクは昔から言ってるんですが(このブログでも過去に書いています)、手段と目的の混同には要注意です。
世の中の多くの人は、手段の違いで争うコトが多いんですよね。
ボクから見れば、くだらねー、となるんですが。
理由は後で書きます。
ちなみに、ボクは、上氏もひろみ氏も知らないですし、どちらを擁護するつもりも無いコトをあらかじめ言っておきます。
あくまでもどっちの見方もせずに、淡々と書きますね。
上氏は、間違ったグラフを使いました。
そこだけを見れば、単純な間違いです。
ただし、上氏も子供じゃ無いので、何らかの意図があって、このグラフを使ったはずです。
そのヒントが、上氏のツイートにあります。
真夏の北半球でコロナが急増している先進国は、トランプを支持する米国の一部と日本くらいです。 pic.twitter.com/Mxey7Xe7NM
— 上 昌広 (@KamiMasahiro) August 3, 2020
頭の良い人は気付いたと思います。
それは、急増、と言うキーワードです。
量と変化
世の中には算数に弱い人がたくさんいます。
例えば、量の話と変化の話を区別できない人が意外に多いのです。
わかりやすい例を書いてみます。
- A国では感染者数が10,000人から10,001人に増えた。
- B国では感染者数が20人から30人に増えた。
この2つの国で、感染者数が急増しているのは、もちろんB国です。
ところが大半の人は、A国の方が圧倒的に深刻だ、と言ってしまうんです。
急増、つまり「変化」の話をしているのに、「量」の話にすり替えてしまうんですよね。
量は確かにA国が圧倒的に多いのです。
しかし変化はB国が圧倒的に大きいのです。
「多い少ない」、と、「増えた減った」は別の話なのに、その区別ができない人がたくさんいるんですよ、意外と。
実は、上氏はツイートで「急増」と言っているので、量では無く変化の話をしています。
そう言う意味では、上氏の主張は正しいわけです。
実際に日本での感染者数は急増しているわけですから。
繰り返し言いますが上氏が言いたいのは量では無いですよ。変化ですよ。
ところが、間違ったグラフを貼ってしまったために、多くの人たちは、グラフの「量」の間違い「だけ」に目を奪われてしまったのです。
ここで、目的と手段の話になります。
上氏の目的は、日本の感染者数が「急増」しているコト、つまり変化を伝えたかった。
ところが、そのための手段、つまりグラフを間違えた。
わかるでしょうか。
上氏の目的は正しく、手段は間違っている。
ところが多くの人は、手段だけに注目して、間違いを見つけてお祭り騒ぎ。
まるで、上氏と言う人間がおかしいと言わんばかりに。
繰り返しますが、上氏の目的は正しく、手段は間違っています。
よって、上氏が全面的に間違っていると言うのは、それこそ間違いなんですよね。
このコトに気付いている人がどれだけいるでしょうか。
目的の正しさは無視して手段の間違いだけを追求する。
別件で同じ主旨の話があります。
日本国内で、軍隊を持つコトに肯定的な人々と否定的な人々が争っています。
実は、両者とも、目的は同じです。
それは、平和なんですよね。
平和と言う目的は両者とも同じで、手段が違うだけなんです。
軍隊を持つと言う手段で平和と言う目的を維持する人々。
軍隊を持たないと言う手段で平和と言う目的を維持する人々。
どちらも同じ目的(平和)同士なのに争っているわけです。
皮肉だと思いませんか?
ホントに争うべき相手は、平和を崩す目的つまり目的を異にする人々だと思うんですけどねえ。
そんなコトをボクは6年ほど前にも書いていました。
上氏も、ひろみ氏も、よく知りませんが、感情を交えずに、淡々とロジカルに考えれば、どちらもそれなりに落ち度があるなあ、と感じました。
手段をミスった人と、一面的な非難をする人。
ひろみ氏だけじゃなく、世の中にたくさんいますよね。
実は上氏の主張(目的)は合っていて、そのための手段が間違っていた。
彼は恐らく、量では無く変化を見せたくて、あのグラフを貼ったんでしょう。
はたして、そこに気付いた人が、どれだけいるのやら。
世の中には数学に弱い人が多いですからね。
量はカンタンなので注目しやすいですが、変化率は微分の世界に近づくので、少し難しいですから。
あのグラフは、量の面では完全に間違いである一方、変化率で見れば、別に変では無いわけです。
ただ、数学に弱い人が多いため、変化率の面で見る人は少ないんですね。
量だけに着目して、鬼の首を取ったように喜ぶわけです。
世の中の実情があの事件であぶり出されて、ちょっと面白いです。
まあ、これだけ説明しても、その意図すら理解できない人もいると思います。
それくらい、数学に弱い人が多いんですよ。
上氏の間違いは、グラフの目盛りに変化率では無く人数(量)を置いてしまったコトですね。
変化率を置いておけば問題が無かったのに。デカいミスですね。
まあそれでも、見る人が見れば、その意図にはこうやって気付きますけど。
「ああ、言いたい主旨(目的)は合ってるけど、手段を間違えたんだねえ。その結果、世の中の数学に弱い多くの人たちから、目的の正しさはスルーされて手段の間違いだけを攻撃されているんだなあ。」
ひどいのになると、ボクが上氏を擁護してるとか何とか言い出す人。
赤の他人である上氏が好かれようが嫌われようがボクには関係の無いコトです。
ボクはロジカルな話をしているだけなので、感情論にすり替えないように。