iPhoneの影響
iPhoneがこの世に登場して初めて操作したときには、それまでの携帯電話との違いに驚きました。
最近でこそ、スマートフォンはスペックで評価されがちですが、今でも変わらないのは、Apple製品のスゴさがスペックに表れない操作性にあると言うコトです。
iPhoneで初めて経験したのが、
慣性スクロール
と言う機能。
それまではパソコンや携帯電話でインターネット画面を見る際、縦にスクロールさせる場合は等速スクロールでした。
それがiPhoneでは、指を速く動かすと画面も速くスクロールする。
そして指を離すと徐々に遅くなって、やがて静止する。
慣性の法則が働いているんですね。
また、端まで行くと、ビヨーンと跳ね返る。
要は、スティーブ・ジョブズは、現実世界の物体と同じ動きをiPhoneの画面に再現したわけです。
これが心地よさの秘密。
今では、Androidなど他社のスマートフォンやパソコンでも、この慣性スクロールが常識になっています。
慣性スクロールをやめてみる
Macでも当然、慣性スクロールで、Macのトラックパッドは他社の追随を許さない、とにかく操作性が快適です。
この操作性はスペック表には表れないので、スペックだけで機種を選んでいる人は知らない人も多いと思います。
世の中、Windowsパソコンが多いですからね。
そこで、今回は、逆に、慣性スクロールが無かった時代に戻してみましょう。
Macでやってみます。
システム環境設定を起動しましょう。
そして、アクセシビリティ→ポインタコントロール→マウスとトラックパッド画面のトラックパッドオプションボタンを押します。
その中に、慣性スクロールあり、と言う項目があります。
これを、慣性スクロールなし、に切り替えて、OKを押してみましょう。
その状態で、ウェブサイトなどを見てスクロールさせてください。
気持ち悪いでしょ。
昔はこれが普通でした。
Macでは慣性スクロールなし、に設定しても端まで行ったら跳ね返る(バウンスする)ので、まだマシですけど。
Android機などは、特許の関係で、このバウンスが使えないんですよね。
なので、端まで行って跳ね返るのはApple製品だけのハズ。
慣性が効いて、ぶつかったら跳ね返る。
Apple製品は、こうやって、スペックには表れない部分にこだわっていて、そう言う、スペック表以外の部分で心地よさを演出するのが得意なんですよね。
まあ、それがブランドの特徴となっているわけですが。
クルマで言えば、例えば単純に速さと言うスペックならフェラーリなどのスーパーカーを選べば良いんですが、乗り心地の良さはスペック表には出てきません。
フェラーリより遅くても、乗り心地の良いクルマは他にあります。
世の中すべてのクルマが速さだけを追求しても面白くないですよね。
AppleはAppleで、スペック以外の部分での体験を売りにしている。
慣性スクロールやバウンスは、その特徴のひとつだと思います。