貸借対照表
放火によって多くの人が亡くなる悲しい大事件が起きたので書こうと思ったんですが、あえてハズします。
今回は、バランスシートのネタ。
人間は、例えば、性別や、大人・子供、西日本生まれ・東日本生まれ、肉好き・肉嫌い、血液型など、あらゆる要素で分けるコトができます。
会計もそのひとつ。
会計を理解している人と、会計を理解していない人。
この分け方は、この社会を生きるのに、意外と大きな影響を与えます。
例えば、
「私は貯金が10億円あります。」
と言う人がいるとしましょう。
さて、この人はおカネ持ちでしょうか。
そうだとしたら、その理由は?
違うとしたら、その理由は?
それに応えてくれるのが会計で重要な役割を果たす貸借対照表(バランスシート)です。
バランスシート
会計と言うよりも、バランスシートを知っているかどうかが人生のパラダイムシフトになるかもしれません。
それくらい、バランスシートの概念は重要です。
ボクがここでバランスシートを事細かに説明すると、それこそ本を1冊書けるほどの分量になるので、今回は概念のさわりだけを書きます。
バランスシート(BS)とは、おカネの出所(でどころ)と現状を表したモノです。
例えば、さっき書いた、貯金10億円。
これだけでは判断できません。
大切なのは、この10億円がどこから来たのか、と言うコトです。
もし、この10億円が、誰かからプレゼントされたモノだとしたら。
日本では贈与税がかかってしまいますが、それでも10億円のうちの何億円かは残ります。
これはもう、かなりリッチな状態ですよね。
この場合は、おカネ持ち、と言えそうです。
では、もし、この10億円が、借り入れによるモノだとしたら。
そうです。返済しなければならないのです。
しかも10億円が借金の元金なら、利息も支払う必要があります。
つまり、この人は、貯金は10億円あるけど、その10億円は借りてきたモノであり、返済する必要があるので、実質はゼロ。
しかも利息の負担もあるので、実はマイナス。
そうです。この人はおカネ持ちどころか、資産はマイナスなんですね。
いかがでしょうか。
資産家、と言う言葉がありますが、正確に資産家かどうかを知るためには、財産の現状だけでは無く、その財産がどうやってできたのかを知る必要があります。
単に貯金が10億円、だけでは、おカネ持ちかどうかはわからないのです。
どこかの政党が、企業の内部留保の大きさを見て還元を訴えていますが、これも同じで、内部留保の大きさだけを見るのは片手落ち。
バランスシートの片方だけを見ても実態はわからないのです。
このように、バランスシートへの理解があるかどうかで、世の中の実態について、正しく把握できるかどうかが分かれます。
よって、ボクとしては、義務教育の中に、バランスシートの知識、複式簿記の知識を取り入れて欲しいと感じています。
算数ができないと社会を生きる上で大きな弊害になるように、会計知識の有無もまた、大きな影響を与えるからです。