バフェット
株式投資で勝つ方法なんて、ホントは無いんですよ。
ですが、無いなんて言ってしまうと、アナリストやコンサルタントの人たちの仕事が無くなってしまうので、必勝法的なノウハウがこの世にはあふれかえっていて、それを信じて買うアマチュアが一喜一憂するわけです。
株の売買は、文字通り、売り手と買い手がいます。
例えば、1万円で買う人がいると言うことは、1万円で売る人がいるわけで、売りと買いを差し引きすれば、プラスマイナスゼロですね。
世の中のすべての株式取引を合計すれば、プラスマイナスゼロ。
つまり、トータルでは損も得も無いゼロサムゲームです。
しかし取引きするには証券会社の口座を持ち、証券会社に手数料を払う必要がありますよね。
だから、それも含めると、トータルでは必ずマイナスになります。
世の中全体では株式取引による総額はマイナスってことです。
つまり、勝つ人と負ける人がいるとしても、必ずトータルでは負けの方が大きくなるんですね。
以前、FXでも似たようなコトを書きましたが、株だって同じですね。
切ないのは、世の中のファンドマネージャーの運用成績よりも、世界全体の平均株価の上昇率の方がいつも上回ってしまう事実です。
つまり、優秀と思われているファンドマネージャーに高い手数料を払って運用をお願いするよりも、株価に連動する手数料の安いインデックスファンドで運用した方が、はるかに手間も費用もかからずにオトクと言う話。
そう書くと、ますます、株の必勝法なんて無いことがわかってしまいます。
そんな中で歴史的な超好成績を残しているのが投資の神様、ウォーレン・バフェットです。
アルバイト代程度の額から始めた株式投資で、今や何兆ドルも運用する世界最大のファンドに。
つまり、株式投資で勝ってきたわけです。
市場
世界中のファンドマネージャーに任せても株で勝てないのなら、どうすればいいか。
答えはカンタンで、ウォーレン・バフェットに運用してもらえばいいんです。
と言っても、もちろん、バフェットが個人的に引き受けてくれるはずは無く、我々一般人はバフェットの運用会社である、バークシャー・ハサウェイの株を買えばいいんです。
理屈の上ではそれで正しいんですが、正しい理屈は大勢の人が思いつきます。
つまり、同社の株なんて大人気で、とっくに株価は上がってしまっているわけです。
モノの価格は需要と供給で決まるので、需要が巨大な同社の株価はとっくに上がってしまっている、てことは、今から同社に投資しても、もはや割高の株を買うことになり、皮肉なことに、儲かる確率は低いってことです。
世の中、うまく行かないですね。
さっき書いたように、株なんて上がるか下がるかのどちらかのゼロサムゲームであり、手数料が発生する分だけマイナス。
コインを投げて表か裏かを当てるゲームなら勝率は50%ですが、株式投資の勝率はそれより悪くなるわけですね。
ではなぜバフェットは勝つのか。
理由は2つ。
- 世界全体では経済は拡大する、つまり株価は長期的には上がるから。
- 市場にはゆがみがあるから。
日本なんかは人口減少でこの先の数十年間はキツそうですが、世界全体ではまだまだ経済は拡大します。つまり、株価は少しずつ上昇する可能性が高いわけです。
バフェットの基本は長期投資。
長い時間をかけて株価が上がるのを待つスタンスです。デイトレーダーとは対極ですね。
それが儲けの秘密。
そしてもうひとつは市場のゆがみ。
世の中の会社は人気投票と同じです。
例えば、この芸能人はいずれ人気が出る、と予想したら、今のうちにサインをもらっておけば、将来、そのサインの価値は上がるかもしれませんよね。
実力はあっても、今の段階ではまだ世の中には知られていないわけです。
会社も同じ。
実力があって成長する余地がある企業は普通は株が買われるので株価は高くなってしまうんですが、数多くの会社の中には、まだ知られていない会社もあるわけです。
つまり、実力はあるのに株価はまだ安い。
市場のゆがみです。
そんな会社の中身を分析して、将来きっと伸びると思えば、今のうちに株を買っておけばいいんですね。
バフェットはその戦略です。
なので徹底的に会社の財務分析や経営者調査を行います。
結局、バフェットがやっているのは、会社の調査と言う努力と世界経済の長期的成長への期待。
それがうまく言っているわけです。
やっていることは難しく無いんですが、実際、それをやる人って少ないんですよね。
多くの人は、株式雑誌のオススメ株特集に載せられて中身のよくわからない会社の株を買ってしまったり、有名アナリストのコメントを信じて買ってしまったり。
つまりラクしてカネ儲けしたくて、結局は損をする。
世の中の大勢の人がやらないことをやる行動力が成功の決め手。
このブログでも何度も書いて来ましたが、バフェットもまた、そんなひとりなんですね。
ちなみに、今回の話は、くっそ面白い橘玲の著書に書いてあることです。
まちがいなくオススメなので、ぜひ読んでみてください。