保証
ボクはかつて銀行員だったので、たまにはそちら方面の記事を。
銀行などから借り入れする場合に、保証人が必要となるコトがあります。
例えば、Aさんが事業を行うのに銀行から融資を受けるとして保証人を求められ、Bさんに保証人になってくれるように頼むケース。
Aさんが持っている自宅を担保に入れます。
その上で保証人も求められるケース。
例えば、自宅不動産の評価額が5000万円で、借入額が2000万円だとしたら。
Aさんは、このように言います。
「Bさん、2000万円の借り入れの保証人になってください。実際には、自宅を担保に入れるし、担保評価額は5000万円あるので、返済できないときは、担保を差し入れるので、あなたには迷惑は掛かりません。形式上、担保不動産と保証人の両方が必要なだけなんです。」
Bさんは、まあこれだったら、自分には特に害は無いので、OKを出すかも知れません。
連帯保証人
しかし、実際に重要なのは、単なる保証人なのか、連帯保証人なのかの違いです。
通常の保証人には、次の3つの権利があります。
- 催告の抗弁権
借金取りがいきなりBさんに返済を求めても、まずはメインの借入人であるAさんのトコロへ行けと言う権利です。
- 検索の抗弁権
借金取りがBさんに返済を求めても、Aさんに財産があるなら、それを使えと言う権利です。上記の例では自宅不動産があるので、それを使えと言えるわけです。
- 分別の利益
借金取りがBさんに返済を求めても、Bさんの負担額が1000万円だけです。2000万円の借り入れをAさんBさんで分け合うので、1人当たり1000万円、と言うわけです。
以上が、通常の保証人。
そして、恐ろしいコトに連帯保証人には、これらの権利は一切ありません。
つまり、借金取りは、いきなりBさんに2000万円返せ、と言えてしまいますし、Bさんはこれを拒むコトもできません。
要は、連帯保証人とは事実上、メインの借入人と同じと言えます。
冒頭のAさんのセリフでは、Aさんの自宅担保があるのでBさんには迷惑が掛からないと言っていますが、もしそれが連帯保証契約であれば、それは通用しません。
保証人と違って連帯保証人は猛烈に厳しい契約です。
Bさんが2000万円の借金をするのと同じだと思ってください。
仮に、BさんがAさんに代わって2000万円を借金取りに返済した場合、後から、Aさんに、2000万円返せ、と言えますが、そもそも返済力が無いAさんから2000万円を回収するのは、素人のBさんにとってはハードルが高いと思います。
これから誰かの保証人になろうとしている人。
それが、保証人か連帯保証人か確認しておきましょう。
連帯保証人なら、できれば断った方が。