金利
アメリカで政策金利が上がるコトが発表され、株価が暴落しました。
一般の人にとって、金利ってどう言う意味があるのかはわかりにくいと思います。
最近の円安とどんな関係があるのでしょうか。
物事をすごくわかりやすく考える前提として、モノの価格は、
需要と供給とで決まるコトを知っておいてください。
10年ほど前に書いた不慣れな記事ですが。
例えば、農作物。
キャベツが豊作なら、キャベツの価格は下がります。
逆に不作なら、キャベツの価格は上がります。
これが供給の話。
一方、この世界のほとんどの人がキャベツをキライになってキャベツが不人気になれば、キャベツの価格は下がります。
逆に、多くの人がキャベツを欲しがれば、キャベツの価格は上がりますね。
人気があって品薄の商品が高価格で転売される現象がすっかりおなじみになった世の中ですが、まさにこの話です。
日本の円と金利
日本は長い間、ゼロ金利政策です。
金利が低いから、国内で借金をするのがラクです。
だから、事業を行いやすいですし、住宅ローンも組みやすいのです。
結果、景気が良くなるハズです。
実際、景気を良くする目的で低金利政策を続けているわけです。
一方、外国の人から見れば、日本でおカネを運用しようにも金利が低いので、そんなに儲かりません。
そこへ来てアメリカは利上げを発表。
金利が上がるのであれば、アメリカドルにすれば、金利で増やしやすくなるわけです。
だから、金利が上がったアメリカにおカネが向かうのはわかりますよね。
アメリカドルに対する需要が上がるわけです。
日本円は金利が低いので需要は低いわけです。
なので、円安。
つまり、円の価格が下がるわけです。
アメリカは物価が上がりすぎていたんです。
景気の過熱を抑えるための利上げですね。
景気の過熱が抑えられるので、株価は下がるわけです。
その代わり、物価上昇も抑えられます。
日本も物価が上昇していますが、これって、景気の過熱のせいではありませんよね。
日本は資源が少ない国なので、外国からたくさんのモノを輸入していますが、円の価値が下がっているので、輸入するコストが上がってしまっています。
例えば、1個あたり1ドルで輸入しているオレンジがあるとしましょう。
1ドルが100円なら、日本側の負担は100円で済みます。
しかし、1ドルが135円になれば、日本側の負担は135円になります。
わかりやすいですね。
では、円安を止めるために、つまり、日本の円がたくさん買われるために、日本の金利を上げたら良いのでしょうか?
日本は長い間、ゼロ金利政策でした。
その間も日本政府の借金、つまり国債残高はふくれ上がっています。
毎年、数十兆円もの金利を支払っているのが、いまの日本政府です。
もし、金利が上がれば、この返済がさらに増えてしまいます。
政府は、どこかからおカネを調達して支払う必要がありますよね。
もちろん、それは税金です。
政府のコストが増えれば、税金を増やす必要があり、結局、国民生活に影響します。
よく、日本の借金の話をすると、
それは政府の借金であって国民の借金では無い!
と言う人がいますが、それは正解ですが、政府に徴税権がある以上、間接的には、政府のコストは国民が負担するので、やはり政府の借金が増えれば国民の負担も増えてしまいます。
当然ながら、利上げをすれば、国内の景気も落ち込みます。
また、円高になれば、輸出産業がダメージを受けます(輸入産業はラクになります)。
まあ他にも、金利が上がれば国債価格が下がると言う問題もありますが、それは別の機会に書ければと思います。
とにかく、日本の場合、各国と事情は違っていて、金利を上げるに上げられない状況だと思います。
今もそんなに景気が良いとは感じませんが、ここで利上げをして景気が悪化するのもイヤですし、上記のデメリットもありますからねえ。
と言うわけで、日本は引き続き低金利据え置き。
となると、さらに円安は進むのでしょうか。
円が安いので、外国人が日本の商品を買いやすい、つまり、輸出産業にとってはメリットですし、実際、好業績の企業も多いですが、一方で、外国人が日本の不動産も買いやすいんですよね。
日本国内のグローバル化も拡大するんでしょうね。