不動産の収入
前回、書いたように、FP2級試験を受けました。
その中で一般の人に紹介したい問題があったので書きますよ。
ただし、問題をそのまま書き移すと著作権法に引っかかるので、本質は変えずに別の話にしますね。
毎年末に100万円の家賃が入ってくる不動産があります。
これを3年間保有し、3年経過後に1000万円で売却する計画です。
この不動産を今、1000万円で買うという話(ただし税金や諸費用はここでは無いものとして無視します)。
わかりやすく言い換えると、
今、1000万円で物件を買う。
1年後に100万円が入る。
2年後に100万円が入る。
3年後に100万円が入り、さらに1000万円で売れる。
わかりますかね。
要するに、1000万円で買ったものを1000万円で売るのだから、その点では儲けは無いけれど、家賃が入ってくるので、3年間で900万円儲かるという話。
1000万円の投資に対して3年で900万円だから1年で300万円の儲け。
つまり、年利回りは30%です。
まあ普通はこんな物件は無いですけどね。
しかし、FPの試験では、と言うか投資の世界ではこの考え方はちょっと違います。
それはボクの以前の記事を読んでもらえればわかります。
時間に価値がある
そうです。
時間の価値を忘れているんですね。
1年後の300万円は今の価値だと、もっと少なくなります。
2年後の300万円は今の価値だと、もっともっと少なくなります。
3年後の300万円は今の価値だと、もっともっともっと少なくなります。
3年後の1000万円も今の価値だと、もっともっともっと少なくなります。
将来の価値を現在の価値に割り戻さないと、ホントの価値はわからないんですね。
ここでは、今回のFPの問題に合わせて割引率を4%とします。
割引率が4%だと、
今の10,000円 = 1年後の10,400円
という関係になります。
今の10,000円が1年経過して4%の利息がついたと思えばいいですね。
なお、将来の価格を現在の価格に割り引くには複利現価率という数値を使います。
これはあらかじめ問題文に書かれています。
<年4%の複利現価率>
期間1年なら、0.962
期間2年なら、0.925
期間3年なら、0.889
例えば、1年後の300万円を今の価値に割り引く場合は、
300万円 × 0.962 = 2,886,000円
と計算します。
同様に、2年後の300万円を今の価値に割り引く場合は、
300万円 × 0.925 = 2,775,000円
同様に、3年後の300万円を今の価値に割り引く場合は、
300万円 × 0.889 = 2,667,000円
同様に、3年後の1,000万円を今の価値に割り引く場合は、
1,000万円 × 0.889 = 8,890,000円
となります。
これらを合計したのが、将来の収入の「今」の価値です。
これを現在価値と言います。
現在価値は、
2,886,000円 + 2,775,000円 + 2,667,000円 + 8,890,000円
= 17,218,000円
この物件を1000万円で買うので、差し引き、
7,218,000円……A
の儲けと言えます、今の価値では。
最初、900万円の儲けと言いましたが、それは単純な儲けですよね。
それだと1年で900万円儲かるのも3年で900万円儲かるのも10年で900万円儲かるのも同じという話になってしまいます。
時間の価値を考慮しないと、ホントに投資すべきかどう母、判断を誤ることになります。
上記のAの式、その値がプラスである以上は投資価値があるということです。
それがゼロもしくはマイナスであれば、例え家賃収入が入るとしても、投資しない方が良い、という話です。
あ〜ちょっと難しくなっちゃったかな〜。
しかし、FPでも不動産コンサルティング技能士試験でも、このように当然に出題されますし、不動産投資では当たり前の考え方ですので、興味のある方はより深く調べてみてください。
ボクにツイートしてくれてもいいですし。
そんなこと言いながら、ボクは今回の試験に合格しているかは未知数で、ドキドキしながら自己採点をするのです。
あ、下剤飲まなきゃ。