年金
年金の不足が話題になっています。
何十年も年金保険料を支払って、いざ老後を迎えたら、受け取れる年金額が少なく、生活費が足りなくなると言う試算です。
ここで、問題を切り分けて考える必要があります。
- 年金制度自体が危ないのか
- 年金制度は安泰だが、そもそも受取額が少ないのか
で、前者に関しては、年金制度が破綻するコトは考えにくいですね。
破綻する前に対応を考えますから。
日本の年金は賦課方式なので、少子高齢化によって苦しくなりますし、実際に苦しくなっていますが、だとすれば、金額を調整すれば乗り切れます。
問題は後者ですね。
そもそも年金で受け取れる額が少なければ、いくら年金制度が安泰でも、それだけでは生活ができません。
なので、老後のために資産形成しましょうと言う機運が盛り上がってきました。
ボクは元信託銀行員で、保険会社、ファンド会社、不動産会社にも在籍経験済みのFP2級です。
そんなボクがちょっとだけヒントを書いておきます。
最重要なのは時間
日本人は投資よりも貯蓄の多い国民として有名です。
投資はリスクがあるから敬遠する人が多いんですが、それは間違いです。
ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンと言う言葉を聞いたコトがあるでしょう。
リスクを取ればリターンつまり儲けを得られます。
リスクを取らなければリターンを得られません。
なので、投資を避けて貯蓄だけをしている人はリターンを得られません。
もし将来の生活費が不足するのなら、貯蓄の人たちはそのままその状態に飛び込むコトになります。
つまり、100%生活費不足に陥るわけです。
投資をした人は資産を増やせる可能性があるので、将来の生活費不足も解消できる可能性があります。
つまり、将来の苦しさを軽減できます。
貯蓄だけの人は、要するに、苦しさを将来に先送りしているわけです。
そして、老後になってから慌てるわけです。
でも、そのときにはもう手遅れ。
若い間なら、体も元気ですし、老後まで時間があるので、たっぷりを対策を打つコトが可能です。
おカネは増やせますが、時間は増やせません。過ぎ去った時間は二度と取り戻せないのです。
投資をせずに貯蓄だけで老後を迎えるコトがいかに危険かがわかると思います。
では、どんな投資が正解なのか。
正直言って、投資に正解なんてありません。
ボクは、日本株式、米国株式、世界株式対象投資信託、金投資などを行っています。
FXや暗号資産は行っていません。
メインは株式です。
なぜ株式なのか。理由があります。
予測のしやすさ
あなたがスーパーでリンゴを買うとしましょう。
そのリンゴが高いか安いかを知るには、世の中の相場を調べれば良いですよね。
同じ種類のリンゴが、近隣の店舗でいくらで売られているかがわかれば、そのリンゴが割高か割安かがわかります。
例えば、周辺の店舗でリンゴが1個100円で売られているとしましょう。
そして、そのスーパーではリンゴが80円で売られているとしたら。
ボクなら、その80円のリンゴを買って、99円くらいで売ります。
世の中の人はリンゴが100円だと思っていて、そこにボクが99円で売り出すので、割安感を感じて買ってくれる可能性が高いのです。
お客さんは100円相場のリンゴを99円で手に入れられる。
ボクは80円で買ったリンゴを99円で売るコトができて19円の儲け。
重要なのは情報ですね。
そのスーパーで80円でリンゴが売られているコトを知っていて、かつ行動できる人だけが儲けるコトができる。
これが世の中のビジネスの基本です。
プロは情報を知っていて行動する。
アマチュアは情報を知らない。
その違いです。
医者は医学知識を持っていて手術を行う。
患者にはその知識もスキルも無い。
だから医者は高額の報酬を得るコトができるわけです。
不動産でも自動車でも何でも同じ。
株式を売買する場合、一般的には上場株式です。
上場株式は大量の情報が開示されています。
利益に対して株価が高いのか安いのか(PER)とか、純資産に対して株価が高いのか安いのか(PBR)とか、そんな情報が手に入ります。
ボクは株を買う時には、PERとPBRを重視します。
PERとPBRが低ければ、その株は割安です。
さっきのリンゴの話と同じで、安く買えれば高く売れる可能性があるわけです。
ただし、割安でも必ず高く売れると言う保証はありません。
リンゴだって、99円でも、誰も欲しがらなければ売れないわけです。
そう言うリスクはあります。
株もそうです。
割安で買っても必ず儲かるとは限りませんし、必ず儲かるなら全員が億万長者になれます。
実のところ、勝敗は6割で構わないのです。
リスクを恐れる人たちは、負けるコトを恐れるのですが、億万長者でも、負けたコトの無い人はいません。
プロ野球だって勝率が7割行けば優勝できるのです。
株でも、10回買って6回勝てばいいのです。
よく考えてみてください。
1000円の株を10回買ったとします。
うち6回は株価が1000円アップ、4回は株価が1000円ダウンしたとしましょう。
トータルでは2000円の儲けです。
10回のうち6回勝てば100%儲かるわけです。
10回のうち10回勝つ必要は無いわけです。
10回のうち6回って、わりとハードルが低いですよね。
真ん中より、ほんの少し上回っているだけですから。
何も考えずにデタラメに勝っていけば、勝利は5割になります。
でも、ボクのように、何らかの指標を調べて根拠を持って勝っていけば、勝つ確率はほんの少しだけ上がります。
100円のリンゴ相場で99円でリンゴを売り出せば、100円で売っている人より、ほんの少しだけ売れる確率が上がるのと同じです。
世の中の大半の人は、根拠を持たずに株を買ってしまいます。
あるいはもっとヒドいのは、営業の人に勧められたからと言って買います。
勧められたかどうかと、その株が割安かどうかは何の関係もありません。
それではバクチと同じです。
バクチはほとんどの人が負けるのです。
バクチをしてはいけません。
10回中6回だけ勝つ投資をすれば良いのです。
そうすれば、1回1回の投資では勝ち負けがありますが、トータルでは必ず儲けが出るわけですから。
必ず儲かる、と言う言葉に惹かれて怪しい投資に手を出して損する人、多いですよね。
その場合の必ず儲かるは意味が間違っています。
一発投資で勝てる、と言う意味です。
それは間違いです。
ボクが言っているのは、勝ったり負けたりしても、トータルで勝ちが少しでも多ければ、必ず儲かる、と言う話です。
プロ野球でも、140試合で75勝65敗なら、勝率はたったの5割ちょっとですが、貯金は確実に10あるわけですよね。
一発必中の投資など存在しません。
10回やって10回とも勝つ、と言う意味では無いんです。
多くの投資の中で勝率を上げていく。
上場株式はデータが多いので、その検証が非常にやりやすいのです。
でも、世の中の多くの人は、それをやらない。
他の多くの人がやらないコトをやる。
そこがポイントです。
ラクして儲けるのでは無く、ほんの少しでも多く手間を掛ける。
それがあなたの将来の明暗を分けます。
バクチでは無く、なぜそれに投資をするのか、その根拠を持てるようになりましょう。
投資は自己責任なので、根拠を持たないと自分のクビを絞めるのです。
ちなみにボクのやり方をファンダメンタルズ分析と言います。
複利とかドルコスト平均法とか賦課年金など、ファイナンス系の記事も過去にたくさん書いているので、良ければ読んでくださいね。