赤字
リテラシーと言う言葉を知っていますか?
日本語にするとなかなか適した言葉が無いんですが、簡単に言えば知識ですかね。
ITリテラシーと言えばIT知識。
会計リテラシーと言えば会計知識。
仕事をする上で、同僚から、どんなスキルを身に付ければ良いかと訊ねられ、ボクは迷わず、
会計リテラシー
を身に付けるのがベスト、と答えました。
業界にはそれぞれ特有の知識が必要です。
自動車業界なら自動車の知識。
IT業界ならITの知識。
飲食業界なら飲食の知識。
でも、会計の知識はすべての業界に共通して必要です。
これは世界共通です。
地球上には共通言語はありません。
英語とか中国語が数多く話される言語ですが。
でも、会計は世界共通です。
それだけマーケットが大きいのです。
数字に強い人は仕事に強いです。
例えば、黒字なのに倒産してしまった会社は少なくありません。
経営者は業界特有の知識は持っていたのに、会計リテラシーが無かったために、そんな自体に陥るのです。
もったいないですよね。
世の中には、
会計リテラシーのある人
会計リテラシーの無い人
の2種類の人間がいます。
この2種類の人間は、世の中の見え方がまったく違います。
前者は世の中の仕組みを理解している人。
後者は世の中の仕組みを理解していない人。
ボクはたまに後者の人がこんなことを言うのを耳にします。
「あの会社は借金だらけだから全然儲かっていない。」
このセリフを聞いただけで、会計リテラシーがある人なら、おかしさに気付きます。
借金があるかどうかはBSの話であり、儲かっているかどうかはPLの話だからです。
このBSやPLの概念を持ちだしただけで会計リテラシーの無い人にはちんぷんかんぷんですが、世の中のすべての組織はそれで説明できるのです。
儲かっていない状態、例えば、収入より支出が多ければ赤字になります。
この赤字の状態は経営の成績です。
1年間で1億円売れたけれど、1億2000万円の支出があったのなら、2000万円の赤字(ここでは細かい話は抜きにしておきます)。
つまり、1年間と言う期間の成績なんです。
借金
では、借金とは何でしょうか。
借金とは借り入れであり、1時点での状態です。
例えば、
A社は、1年間で1億円売れたけれど、1億2000万円の支出があったので、2000万円の赤字。期末に借金が3000万円ある。
B社は、1年間で1億円売れたけれど、1億2000万円の支出があったので、2000万円の赤字。期末に借金はゼロ。
こうやって比べればわかりますよね。
A社もB社もどっちも2000万円の赤字で同じ成績。ただし借金の額は違います。
つまり、借金の額にかかわらず、A社もB社も儲け度合いは同じなのです。
借金の大小と儲かり方の大小は関係ありません。
だから、
「あの会社は借金だらけだから全然儲かっていない。」
と言うセリフが間違いなのです。
今、日本で一番儲かる会社と言えば、トヨタとソフトバンク。
そして、どちらも巨大な借金があります。
巨大な借金があるから儲かるのです。
借金を使うことで儲けるやり方を財務レバレッジと言います。
BSとPLの概念、そして財務の知識をきちんと理解していれば、とてもカンタンなことです。
借金があることで効率よく稼げること。
黒字でも倒産することがあること。
赤字と借金はまったく別の話であること。
そう言った会計リテラシーを持っているか持っていないかによって、世の中の仕組みの理解度は全然違います。
もしあなたが何も勉強してなくて、でも、これから何かを学ぼうとするなら、数字に関する学問をオススメしておきます。
数字に強い人は、どの業界でも必要とされ、しかもマーケットは巨大。
さらに数字を苦手とする人が多いので希少価値があり、その上、世の中の仕組みを正確に捉えることができるからです。
いきなり難しい本を読むのは抵抗がある人。
そんな人は、ボクのこのブログを読んでいれば良いんですよ。
なぜなら、きちんと理解している人が読めば恥ずかしくなるような、こんな初心者向け記事をたくさん書いているからです。