携帯電話の価格
近頃、政府が携帯電話会社(キャリア)にあれこれと口を出しています。
携帯電話の料金について。
日本では、iPhoneの台数シェアが大きいですが、高級スマホであるiPhoneがなぜ売れるのか。
ひとつは、単に日本が世界的にも裕福な国家だと言う理由があります。
もうひとつは、割引ですね。
数万円もするiPhoneを一括で支払うのでは無く、分割にして支払うコトで安く見せます。
しかも、毎月の通信料金が割り引かれるため、実質的な負担額はホントに安くなります。
例えば、iPhoneの価格が72,000円だとしましょう。
そして毎月の通信料金が5,000円だとします。
これで普通に2年間使用したら。
5,000円×24ヶ月+72,000円
=120,000円+72,000円
=192,000円
ですね。
これを、毎月の通信料金から3,000円割引すれば、
2,000円×24ヶ月+72,000円
=48,000円+72,000円
=120,000円
になります。72,000円安くなりました。
iPhoneの価格と同じですね。
つまり、
5,000円×24ヶ月+0円
=120,000円+0円
=120,000円
と、負担は同じ。要するに、通信料金を割り引くコトで、iPhoneが実質無料になり、通信料金だけで使えるのと同じ、と言うわけですね。
これは、iPhoneを使いたい人にとっては非常に好都合なプランであり、実際、これのおかげで普及しました。
これに政府は口出しします。
通信料金と端末代をごちゃまぜにするなんて、複雑でけしからん!と。
それと、通信料金を安くしろ!と。
要は、
2,000円×24ヶ月+72,000円
=48,000円+72,000円
=120,000円
とやって実質的に端末代金を安く見せるのはやめろ!と言う話です。
あまり賛同できない
ボクなんかから見れば、政府の言うコトがいまいち理解できません。
これまで、キャリアは、
2,000円×24ヶ月+72,000円
=48,000円+72,000円
=120,000円
とやって来たわけですよね。
つまり、すでに実際に通信料金をかなり割り引いて安くしてきたわけです。
あれ?
もう実現してない?
上記のように端末代が実質的にゼロになるケースの場合、72,000円分は通信料金が安くなっているわけで、すでにかなり安い通信料金になっています。
もちろん、これは2年間だけ。
2年経てば、割引は終了するため、通信料金は通常料金に戻ります。
要するに、長く使っている人は定価になり、新規のお客さんだけが割引を受けられる状態。
これがけしからんそうです。
何だか一理ありそうな意見ですが、変じゃないですか?
もし長く使っているほど優遇されるのなら、新規参入するキャリアは最初から不利な勝負をさせられるわけです。
政府は、キャリアの新規参入を促して競争を促進しようとしていますよね。
だったら、長く使うユーザーほど優遇される制度なんて矛盾していますよね。
これ、別に携帯電話に限らない話です。
何でも当てはまりますよ。
Aと言う老舗のラーメン屋さんがあり、もしA店が、
「他のラーメン屋さんに行かずにずっとウチで食べてくれる人には割引します。他の店に行った人は定価に戻します。」
と言ってしまったら、新規参入するB店は最初から不利な競争になります。
結果、B店は参入をあきらめ、Aが独占する市場ができあがります。
それって、ユーザーにメリットありますかね?
共産主義じゃ無いんだから、政府がビジネスモデルに口を出すべきでは無く、民間に競争を任せるべきだとボクは考えます。
もちろん、新規参入は大賛成。
そのためには、電波オークションなど、公正公平な仕組み作りが必要です。
少なくとも、現時点では、キャリアはテレビ局と比べて圧倒的に高い電波利用料を支払っています。
まずは、テレビ局にも電波オークションに参加させて、携帯電話と同じ土俵に乗せるべきでは無いですか?
それで潰れてしまうテレビ局なんて必要無いんです。
これまでテレビの地上波チャンネルで、1とか4とか5とか8と言う特等席を同じテレビ局が独占し続けたコト自体が異常であり、恐るべき既得権益ですよ。
国民をなめていますよね。
テレビ局も、報道やらジャーナリズムを振りかざすなら、まずは自分たちが身を切るべきでは?
これからはテレビ局もさっさと潰す時代。
今の携帯電話キャリアと政府のゴタゴタを見ていると、つい、そう思ってしまいます。
特に、テレビ自体を所有していないボクから見れば。