保険の入り方
前回の実用的な記事はそれなりにヒットしました。
今日はいきなり保険の話を書いてみたくなりました。
保険の話題は久しぶりですかね。
一般の人にとって、保険選びはとても難しいですよね。
例えばA社のセールスマンならA社の保険をセールスするので公平な判断ができない。
だから最近は街に、乗り合い型(複数の保険会社の商品を扱う)保険ショップがあります。
それなら公平に話ができそうですが、実はそうでも無いんですよね。
理由は2つあります。
- 理由その1.複数社の保険を取り扱っていても、保険ショップが得る報酬は保険商品によって異なるため、報酬の高い保険商品をオススメする動機がある。
- 理由その2.保険を販売しないことには報酬が入ってこないので、実は保険が不要な人にも保険を売るという動機がある。
生命保険の大原則
保険をギャンブルだと言う人がいますが、その人は本質を見失っています。
ギャンブルは、儲かるか損するかのどちらかです。
しかし保険は全然違います。
保険は、損するか損しないかのどちらかなんです。
儲かると言う選択肢はありません。
なので、保険金が転がり込んで大金持ちになったと言う話、あれは、間違った保険の掛け方なんです。
生命保険の目的はカンタンで、
収入を稼いでいる人が命を落としても、遺族が生きていけること。
それだけです。
例えば、父が毎月20万円を稼いでいて、母はいません。10歳の子供がひとりいるとします。話をカンタンにするために、そういう家族を設定します。
ここでのポイントは、子供が無事に大人になれるかどうか。
ざっくりした話ですが、20歳を大人と定義しましょう。
20歳になれば、自分で働いて何とかなるからです。
つまり10歳の子供が20歳になるまでの10年間の収入があればいいんですよね。
お父さんの月収は20万円。年収は240万円。これが10年間なので2,400万円ですね。
つまり、もしお父さんが生きていれば、子供が20歳になるまでにあと2,400万円稼いだわけです。
そのお父さんが亡くなったので、代わりに保険金として2,400万円受け取ればOK。
と言うわけで、10歳の子供がいる父が自分に掛ける保険は2,400万円が正解。
それ以上の金額の保険を掛ける必要は無いですし、掛けてもそれは保険料(掛け金)の無駄遣いです。
じゃあ仮に、父が毎月20万円を稼いでいて、母はいなくて、15歳の子供がひとりいるなら。
この場合は、子供が20歳になるまでは残り5年なので、1,200万円の保険で良いんです。
子供が10歳なら2,400万円の保険。子供が15歳なら1,200万円の保険。
すごく当たり前ですが、子供が大きくなるほど、掛けるべき保険金額は小さくなっていきます。
年齢が上がるほど保険金額が少なくなる保険。それを収入(所得)保障保険と言います。
だんだんと保険金額が小さくなる分、保険料(掛け金)も安いです。合理的ですね。ムダはありません。
なのに、世の中の多くの保険は定額です。
2,400万円の生命保険に加入したらずっと2,400万円。子供が18歳になっても2,400万円。
子供が18歳のときにお父さんが亡くなっても確かに2,400万円も受け取れて子供は助かるかも知れませんが、さっきから書いているように、それって過剰なんですよね。
お父さんが生きているときよりも財産が増えているわけです。まさにお父さんが無くなった方が儲かるギャンブル状態。
その分、保険料(掛け金)は高いです。
実際には世の中で、子供が小さいうちに亡くなるお父さんの数は全体の中でごく一部なんです。
なのに定額の生命保険に入っているので、大半の人は保険料を掛けすぎて損しているんですね。
これから生命保険に入ろうと考えている人。
遺族がいないのなら、そもそも加入する必要はありません。
遺族がいるのなら、その人(子)が大人になるまで毎月いくらを渡したいか、それで掛け算をして総額を決め、そこから減っていく収入保障保険を選びましょう。
それが一番合理的(不足が無くて損も最小限で済む)な加入の仕方です。
以上、かつて保険業界で働いていたボクからのアドバイスです。