非天マザー by B-CHAN

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郵便の利便性縮小と、人口減少の最大の問題点。

郵便配達がサービスを縮小する意味

 

 

日本郵便が配達のサービスを縮小する方針のようです。

 

www.nikkei.com

 

 

  • 翌日に配達するエリアを縮小する
  • 土曜日の配達をやめる

 

この2点が実施されると、木曜日に出した郵便が次の月曜日に届くコトになるんですね。

一気に中3日間。

少なからぬ数の事業が影響を受けそうですね。

理由はカンタン。

人手不足。

人口減少の影響が露骨に出てきています。

 

 

人口減少の苦痛

 

 

日本の人口が減少しているのはご存じの通り。

人口は最多だった2008年から減り続けていて、

 

  • 2008年は1億2808万人
  • 2018年は1億2649万人

 

とされています。

10年間で159万人、減りました。

都道府県で言えば、鹿児島県の人口と近いです。

つまり、この10年で、日本から鹿児島県が消滅したのと同じコトが実際に起こったわけです。

衝撃的じゃ無いですか?

人口的には46都道府県なのに、形式的にはまだ47都道府県ある。

ボクの実家は奈良県ですが、奈良県の人口は約134万人。

この10年でボクの実家の県が無くなった、と言える規模です。

 

人口減少で、人手不足の企業が大量発生し、どんどん倒産しています。

 

人口減少自体には楽観論も悲観論もあり、こう言ったブログもあります。

 

wildriverpeace.hatenablog.jp

 

 

ボクも人口減少で国が滅ぶとは思わないんです。

そもそも、現実に不可避なコトを嘆いていても何の意味も無いので、冷静に考える必要があるのはまさにその通り。

 

ちなみに1900年の日本の人口は約4000万人と言われています。

100年ほどで、8000万人増、3倍にふくれ上がったんですね。

 

逆に言えば、人口が4000万人まで減っても100年前に戻るだけですね。

現実に数年間、人口が減り続けている日本で、今もこのように、国は成り立っています。

もちろん企業倒産はたくさん起こっていますが、倒産は人口減少社会じゃなくても起こります。

部分部分で色んなモノが淘汰されながら、日本は徐々に縮小し、存続します。

消費は減りますが、その分、労働人口も減るので、国内だけで事業を行う企業は、徐々に縮小して行きます。

その観点では国家の存続としては、問題無いわけです。

問題無いと言えば語弊がありますが。

 

ただ、ボクが、苦痛が発生すると思っている分野があります。

それは、土地・建物・施設などのインフラです。

 

冒頭の郵便の記事がまさにそうです。

日本の面積は37万8千平方メートル。

これは、人口が減少しても変わりません。

つまり、人口1人あたりの面積は増えていくわけです。

 

日本郵便は、より少ない人数で、「同じ」面積を負担しなければならないわけです。

人口が減れば減るほど、1人あたりの負担は増えていきます。

 

2008年までの人口増加で、日本にはたくさんの家屋やビルが建ちました。

人間は亡くなれば、葬って終わり。

しかし、建物や施設はそんなカンタンには行きません。

建物の解体には手間と時間とおカネが必要です。

 

例えば、人口4000人が4つのマンションに住んでいるとしましょう。

人口が減って3000人になり、1つのマンションが空っぽになったとします。

そのマンションを解体するのは、残った3000人です。

さらに人口が減って2000人になり、また1つのマンションが空っぽになったとします。

すると、そのマンションを解体するのは、残った2000人です。

もっと人口が減って1000人になり、また1つのマンションが空っぽになったとします。

すると、そのマンションを解体するのは、残った1000人です。

 

1つ目のマンションの解体費は3000人で出し合えば済むんですが、2つ目のマンションの解体費は2000人で出し合う必要があります。3つめのマンションの解体費は1000人で負担する必要があります。

1人あたりの負担は3倍ですね。

そうなると、負担しきれなくなるので、マンションは空っぽのままで放置されるコトになります。

やがて崩壊の危険性が出てくるわけです。

 

人口減少の最大の問題は、労働人口でも消費でも年金でもありません。

最大の問題は、国土の面積が変わらないコトです。

同じ面積、同じ数の建物、同じ数の施設を少ない人数で維持する必要が出てくるコトです。

 

もうひとつ例を書きます。

川が流れていて、橋が架かっています。川の向こうに1000人、川のこちらに1000人、計2000人が住んでいるとします。

人口が減って、川の向こうが500人、川のこちらが500人、計1000人になりました。

だからと言って、橋を取り壊すわけには行きません。

2000人で負担していた橋の維持管理費用は、1000人で負担するコトになります。

 

橋に限らず、世の中の色んなインフラは、人口がゼロにならない限り、失うコトができないモノが多いのです。

 

同じ4000万人でもインフラができる前の4000万人とインフラができた後の4000万人とでは、負担の重さが全然違うわけです。

結果、維持する必要があるのに維持できずに崩壊していくインフラが増え、人々の生活に大きなダメージを与えるコトになります。

しかも日本の場合は、高齢化も進んで行くので、インフラの負担者も高齢化します。

大勢の多様な世代で維持していた橋を、少数の高齢者で維持できるでしょうか。

でも、維持しないと、川を越えられません。

 

ボクは、人口減少対策として、第1優先で行うべき施策は、もちろん、人口増加策だと思いますが、たぶん無理なので、現実的には、次の施策を行うべきだと考えます。

それは、

 

人口が減るほど、狭い地域に集まって住む

 

コトです。

極端に言えば、人口が4000万人なら、関東地方だけで収まります。

そうすると、移動距離も減りますし、地方のインフラを維持するコストも不要になります。

良い悪いの話では無く、そうやらないと、たぶん生活が不可能になるのでは?

 

もちろん、食料を自給自足して、既存のインフラを使わず、人とも交流しないのであれば、地方で暮らせると思いますが、多くの人にはそれは無理ですよね。

 

高齢者が増えれば病気の人も増えます。

全国に病院を配置するよりも、関東だけに病院を配置して、人々も関東だけで暮らせば、病院への移送も通院も負担が減りますよね。

 

いかがでしょうか。

ちなみに、関東と書きましたが、例として書いただけで、別に関西でもどこでも良いです。要は狭い地域に集まって住むコトがポイントです。

他に解決策があれば良いんですけどね。