夢中でがんばる君へ
レオパレス21のアパートの不祥事が大問題になっていますね。
ボクは今はテレビを持っていないので知りませんが、昔はよくレオパレス21のテレビCMが流れていました。
この歌詞でおなじみの曲が流れるアレです。
http://www.kget.jp/lyric/38843/それぞれの夢_Mi
建築確認・完了検査
建築物を建てるには、事前に役所に建築確認申請をする必要があります。
このような建物を建てますので確認してください、と申請するのです。
当然、建物を建てる前なので、役所は書類やら設計図面やらでチェックします。
OKの場合、確認済証が発行されます。
そこから建築着工となります。
竣工すると、今度は、完了検査を受ける必要があります。
実際に完成した建物のチェックを受けるわけです。
これもOKなら、検査済証が発行されます。
このように、建築物ってのは、手続きが面倒なんですよね。
建築物は、金額も大きく、環境への影響も大きく、社会への影響も大きいので、規制が色々あるわけです。
で、レオパレス21のアパートも当然、検査済証があるはずです。
てコトは、役所は完成した建物をチェック済みなんですよね。
なのに不具合多発。
耐火基準を満たしていなかったり遮音基準を満たしていなかったり。
しかも現時点で1000棟以上も。
役所は何を検査したんだ、と言う話になりますが、役所の検査にも限界があります。
壁の内部にグラスウールでは無く発泡ウレタンが使われていると言う話ですが、完成した建物の壁にわざわざ穴を開けて検査するのは現実的では無いので、それはもう、申請者を信じるしかありません。
要は、目に見える箇所はチェックできるけれど、目に見えない箇所までくまなくチェックするのは不可能ってコトです。
まあ、それは仕方無いかも知れません。
ボクが今回のコトで感じたのは、申請書類の保存期限ですね。
5年です。
役所は5年経過すれば書類を破棄するってコトです。
今回の問題物件は2001年頃までに建った物件が多いので、書類が残っていません。
もちろん、あらゆる書類を永久に保存すると書類の置き場が無くなってしまうので、期限を設けるのは必要ですが、建築物に関してはさっき書いたとおり特別にすべきだと思うんですよね。
建物って数十年間は残るモノなので、建築に関する書類は保存期限を30年くらいに設定した方が良いのでは?と思ってしまうんですよね。
あと、紙の書類は置き場所の問題に加えて劣化の問題もあるので、デジタル化も必要かも知れません。
デジタルデータにすれば、置き場所問題も解決します。
保存期限もずっと伸ばせるわけです。
アパートってのは、不動産会社が直接経営するモノ以外に、個人が経営するモノもたくさんあるんですよ。
今回の不祥事も、入居者はもちろん、建物のオーナーもまた被害者なんですよね。
耐火基準を満たさないので、入居者はすぐに出て行ってくださいと言う話になります。
2月3月なんて1年で一番移動(異動)が多いシーズンです。受験シーズンでもあります。
そんなタイミングで引っ越しを迫らざるを得ない賃貸人(オーナー)。
そして、そのアパートのオーナーは家賃収入が絶たれるので死活問題です。ローンを組んで建てたのなら、家賃収入が無くなっても返済は止められません。下手すると破産ですね。
これだけ大規模になると、もはや実際の経営意思はともかく、レオパレス21と言う会社の「組織ぐるみ」の問題としか言いようがありません。もちろん経営陣の責任も重いと思います。
まだ半分程度しか調査が進んでいないので、これからさらに不具合の物件は増えそうです。
数多くの取引先も影響を受けるでしょう。
あと、役員報酬について。
レオパレス、法令違反で「累損430億円」の泥沼 | 建設・資材 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
ここを読む限り、社長は30%の減俸を6ヶ月だそうです。
ん??
30%×6ヶ月=180%
ですよね。つまり2ヶ月弱分の報酬が無くなるだけ。
無意味なような。
それから、今回の件の累損が現時点で430億円。
ここに、今回の問題が発覚する前の中間報告書があります。
これを見ると、連結キャッシュフローは900億円台から700億円台に。
そこに今回の数百億円の損失処理が加わると、キャッシュフローは大ダメージを受けますよね。
もちろん、一括処理では無いので、すぐに資金繰りがヤバいと言うコトでは無いと思いますが、今後のイメージダウンやら賠償の増加やらを考えると、経営へのダメージは少なからずありそうです。
最後に。
数日後に開催予定のゴルフ大会、これ、無事に開催されると良いんですが。