非天マザー by B-CHAN

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不動産を売るときに悪い業者を見破る方法

仲介

 

 

ボクは今は不動産業界に身を置いています。

不動産業界と言っても色々あって、建物を建てて売って稼ぐ会社、売買の仲介をして稼ぐ会社、賃貸物件の仲介をして稼ぐ会社、管理をして稼ぐ会社、建物を貸して稼ぐ会社など。

ボクは管理をして稼ぐ会社にいます。

 

世の中には不動産会社がたくさんあるんですが、建てたり管理したりするのには専門技術が必要なんです。

しかし、仲介をする会社は比較的、参入が容易です。

なぜなら、他人の物件を他人に紹介するのが仕事なので、自分で作るわけでもなく、そんなに大きな元手が無くても始めやすいからなんですね。

 

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今回は、世の中にはびこる、悪い売買仲介業者の話をしてみます。

 

あなたが自分の家を売りたいとしましょう。

自分で買い手を見つけ出すのは至難のワザなので、どこかの仲介業者に依頼するわけです。

その会社が買い手を見つけてくれるんですね。

依頼するときに媒介契約を結ぶんですが、

  • 一般
  • 専任
  • 専属専任

の3つの中から契約タイプを選びます。

一般媒介契約は複数の業者と契約を結ぶことができます。

複数の業者に依頼できるので、買い手が見つかる確率が高いと思いがちですが、業者の立場にしてみれば、他の業者が買い手を見つけてしまうかもしれないので、そんなにチカラを入れないんですよね。

専任契約は、その業者としか契約できません。ただし売り手が自分で買い手を見つけるのはありです。

専属専任契約は、その業者としか契約できず、売り手が自分で買い手を見つけるのも禁止です。

つまり、専属専任なら、その業者が儲かるので、業者はチカラを入れて買い手を探すわけです。

 

で、早く買い手を見つけたいあなたは仲介業者と専属専任媒介契約を結びます。

 

専属専任契約を結んだ業者はレインズに物件を登録する義務があります。

レインズと言うのは、不動産業者だけが見ることができるインターネット不動産データベースです。

つまり、そこに登録することによって、全国の業者がその物件の買い手を紹介してくれるわけです。

もし売買契約が成立したら、

  • 売り手側の(さっき専属専任契約を結んだ)業者は売り手から手数料を、
  • 全国のどこかの買い手側の業者は買い手から手数料を、

それぞれもらえるわけです。

料率は3%だと思ってください。

例えば5千万円で売買契約が成立したら、

  • 売り手側の業者は売り手から150万円を、
  • 買い手側の業者は買い手から150万円を、

それぞれもらえるんですね。

それぞれの業者が片方から手数料をもらうので、業界ではこれを「片手」と呼んだりします。

しかし、ここで考えてください。

売り手側の業者が自分で買い手を見つけたとしたら。

その業者は売り手からも買い手からも手数料をもらえます。

300万円ですね。

一挙に倍増。これを「両手」と言います。

専属専任契約を結んだ業者はそれを望みます。

すると、悪いことを企むんですね。

レインズに登録するので、当然のように全国の色んな業者から問い合わせが入ります。

そのときに、売り手側の業者は、わざと、

「この物件はすでに交渉がすすんでしまってまして〜。」

とウソをつくんですね。

そうしていると、いつまでたっても売買が決まりません。

売り手は焦りますよね。

そこで売り手の業者は、こんな提案をします。

「今の値段ですと高すぎて買い手が見つかりません。価格を2割下げましょう。」

それを聞いた売り手は信じるしかありません。

早く売りたいので、仕方なく2割値下げします。

価格が2割安くなったところで、売り手の業者の仲間である別の業者が登場します。

そしてその物件を買うと言うのです。

別の業者は2割安く買えるわけです。

売り手側の業者は売り手と買い手の両方から、つまり両手で手数料をもらえます。

まあ、ここまでなら、単に安く売れたで片付けられてしまうかもしれません。

しかし、2割安く仕入れることができた業者は、今度は元の価格に戻して再びその物件を売りに出します。

当初の売り手側の業者は、この時もまた専属専任契約を結び、今度はマジメに買い手を探してきます。

で、再び両手で手数料をもらうんですね。

 

こうやって、ひとつの物件で2度の両手取引をして大儲け。

元の売り手は、売値が2割下げられてしまって、単に損をしただけです。

 

このように、レインズに登録しても、問い合わせに応じない行為や、そこから価格を下げさせる行為は、法律で禁止されています。

禁止されているんですが、片手取引の4倍近くを稼ぐことができるので、今でもはびこってるんですよね。

つまり、悪い仲介業者が少なからず存在するってことです。

有名な大手不動産会社でもやっているところがあるので、有名だからと言って必ずしも信じてはいけません。

 

 

対策

 

 

では、あなたが売り手なら、これを見破る方法はあるでしょうか。

実はあります。

あなたがどこかの業者と専属専任契約を結んだ後、まったく別の不動産業者に、「買い手」のフリをして、そのエリアで売りに出ている物件が無いかどうか尋ねてみてください。

当然、自分が売りに出している物件が登場するはずです。

で、その物件に問い合わせをかけてもらうんです。

その際に、

 

「すでに交渉が進んでしまってます。」

 

なんて回答が返ってきたら、あなたが依頼している業者は悪であることが確定しますよね。

 

このように、不動産取引は頭脳プレイのような面があります。

不動産の売買は、人生最大の取引なんですから、安易に業者を信じたり鵜呑みにせず、できるだけ勉強することをおススメしておきます。