不動産投資
ボクは、銀行、保険、不動産ファンド、不動産などの業界を経験しています。
なので、不動産投資に関しても、普通の人よりは詳しいと思っています。
世の中にある投資の中で、一番カンタンなのは、銀行預金ですね。
銀行預金を投資と呼ぶかどうかは判断が分かれますが、例えば、預金利息が1%なら、100万円投資して(銀行に預けて)、1年後に1万円のリターンです。
まあ、投資と言えば投資ですよね。
しかも、かなり安全な投資です。
いま、預金利息が1%と書きましたが、現実世界では、1%もの利息の預金はほとんどありません。
銀行預金と言うのは非常に安全な投資です。
安全であると言うコトは、リターンが低いと言うコトを意味します。
- ハイリスク・ハイリターン
- ローリスク・ローリターン
の大原則ですね。
なので、銀行預金よりも高い利益が欲しければ、銀行預金よりもリスクの高い投資をするしかありません。
例えば、
- 不動産投資
- 金投資
- 株式投資
- 外貨投資
- 事業投資
などです。
ボクは、不動産関係者ですが、この中では、不動産投資だけ(プライベートでは)未経験です。
ワンルームマンション投資
不動産投資と言っても、
- ワンルームマンション投資
- アパート投資
- マンション投資
などがあります。他にもあります。
ワンルームマンション投資と言うのは、マンションの中の1室だけを買う投資です。
アパート投資は、4戸とか8戸などの小規模なモノ。
マンション投資は大規模なモノだと思ってください。主に法人がやります。
サラリーマンが将来の年金代わりに、と言うセールスで人気(?)なのが、ワンルームマンション投資です。
ワンルームマンションの1室だけを買うので、投資額がアパート投資やマンション投資と比べると小さめです。
ボクも、ワンルームマンション投資の業者さんと色々と交渉しました。
いつも疑問があるんですよ。
不動産投資と言うのは、ローンを借り入れて不動産を買い、その不動産から発生する賃料収入でローンを返済し、余りが利益となる投資です。
例えば、毎月の賃料収入が10万円あるとします。
そこからローン返済が7万円だとすると、残りの3万円が利益です。
実際には、清掃や修繕や税金などのコストもかかるので、それらも考慮する必要があります。
それらの合計が月に1万円だとすると、利益は2万円ですね。
もし、1ヶ月でも空室になれば、賃料収入の10万円は無くなります。
つまり、5ヶ月分の利益は吹っ飛びます。
これがリスクですね。
また、建物は年月が経過するほど劣化するので、通常は賃料も下がります。
当初の賃料収入が10万円だとしても、5年後の賃料収入は9万円かもしれません。
そうすると利益は1万円。
1ヶ月の空室で10ヶ月分の利益が吹っ飛びます。
20年、30年と続けると、賃料もそれに合わせて下がるわけです。
例えば、賃料が8万円になれば、利益はゼロです。
もはや投資をする意味はありません。
そこで空室になれば、ローンの支払いの7万円は自腹になります。
ハイリスク・ノーリターンですね。
ローンを貸す金融機関は、投資をする人の年収を審査します。
おかしいですよね。
例えば、あるワンルームが1000万円だとして、その7割を貸すとすれば700万円のローンが組めます。
これなら、万が一、投資が失敗しても、金融機関は担保であるワンルームを引き取れば、ローンは回収できるはずです。
つまり、投資する人の年収なんて関係無いはずですよね。
でも、年収を審査します。
なぜなら、ワンルームだけでは回収できないと思っているからです。
つまり、金融機関にしてみれば、そのワンルームは、賃料だけで回収できるような価値は無いわけです。
1000万円の価値は無い、と。
その時点で、ワンルームマンション投資には矛盾が生じています。
不動産に価値があるなら、その不動産だけでリスクヘッジができるハズなのに、それをやらずに、サラリーマンの給料も審査する。
将来の価値が無いと判断しているわかりやすい証拠なんですよね。
投資用のワンルームマンションを販売する業者は、そう言った将来のリスクはとりません。
仲介手数料もしくは転売の差額で稼ぎます。
売ってしまえば終わりです。
買った人の10年後は関係無いのです。
以上のコトを踏まえると、ボクには、ワンルームマンション投資をやるメリットがわからないんですよね。
もちろん、ごく一部の人は成功するでしょうが、不動産に精通していない一般のサラリーマンが年金代わりにワンルームマンション投資をするのは、サラリーマンの年収が審査される時点で矛盾しているので、ボクはオススメしません。