響と言う天才
響~小説家になる方法~/柳本光晴著を読了しました。
Amazonの電子書籍Kindle版で全13巻でした。
さくさく進んであっと言う間でしたが、それはもちろん、ストーリーがめちゃくちゃ面白いからですね。
ボクはこのブログでも何度か書きましたが、天才が登場する物語が好きなんですよね。
デスノートのLとか、三国志の諸葛孔明とか。
で、響~小説家になる方法~の主人公の、鮎喰響も天才なのです。
生き方の選び方
響は天才小説家で、それだけでもぞくぞくするんですが、ボクは生き方にもぞくぞくしたんですよ。
高校生活なので15歳から18歳までを描いているんですが、とにかく強い。
文字通り、ケンカが強いんですよ。
しかも、口ゲンカだけでは無く、殴る蹴るのケンカ。
でも、単に暴力的なケンカで相手を屈服させるのでは無く、いつも、説得させるんですよ。
つまり、暴力で勝って、頭脳で勝つ。
だから、ケンカの後は誰も敵にならず、みんなむしろ仲間のカテゴリーになる。
国家権力すら手なずける。
でも、最後に、人生の選択をする場面で、ボクはまたぞくぞくしました。
高校3年生は受験生なんですよ。
日本の多くの高校3年生は受験をするか就職するか。
響は言うんですよね。
今のこのタイミングで人生を決める必要は無い、と。
よく考えたら、こんな当たり前のコトをほとんどの人がしない。
みんなと同じように受験か就職。
響はもちろん、多くの人とは異なる選択をします。
それはネタバレになるので、ここでは書きません。
18歳時に受験か就職かなんてのは、ここ数十年間に構築されたシステムであって、それが正しいわけでも伝統でも何でもありません。
25歳で行き先を決めても30歳で行き先を決めても構わないはずです。
でも、それを許さない世の中の雰囲気があるんですよね。
それが生きづらい人をたくさん生み出す。
もうそろそろ、決まり切った昭和の価値観をやめません?
あ、話が逸れましたが、作品そのものは天才が爽快な後味を残してくれるので、モヤモヤしている人にオススメです。