ハロー効果
ハロー効果と言う言葉を知っていますか?
例えば、野球の世界で輝かしい成績を残したイチロー選手。
ボクもイチローがオリックス・ブルーウェーブに在籍していた頃に神戸に何度も応援に行きました。
素晴らしいプレーを見せてくれました。
そんなイチローは、例えば、上司にしたいスポーツ選手と言うアンケートで1位を取るコトも多いです。
しかし、よく考えてみてください。
野球で素晴らしい成績を残したコトと人格とは関係ありません。
しかし、大衆は、そう言う素晴らしい成績を残した人物は素晴らしい人物だ、と思いがちなんです。
これを、ハロー効果、と言います。
ハロー効果は、良い意味でも悪い意味でも使われます。
人格否定
実際には、スポーツでの成績と人格は関係ありません。
スポーツで素晴らしい成績を残しても犯罪を起こす人もいます。
昨年、池袋で高齢者が運転するクルマに母子が轢かれて亡くなる悲しい事故がありました。
被告がなかなか逮捕されなかったコトから、上級国民と呼ばれ非難されました。
ボクも、被告に過失があるのなら、こんな悲しい事故は絶対に許せません。
ただ、今回は、ハロー効果の話なので、冷静に考えてみます。
この被告はクルマで人を轢いて命を奪ったコトが問題です。
ところが、大衆は、ハロー効果により、人格そのものを非難しがちです。
この被告も、それまでの人生ではもしかしたら、人知れずゴミを拾ったり、子供に優しかったり、そんな一面もあったかも知れません。
そもそも、この世界に、100%正しい人間も、100%悪い人間も存在しないんですから。
あくまでも、非難すべきは、事故を起こしたコトについて、なんです。
その被告がこんな発言をしました。
「安全な車を開発するように、メーカーの方に心がけていただきたい」
すると、予想通り、世間の多くの人が、お前が言うな!と非難しました。
でも、ボクは冷静に考えたんです。
これこそ、ハロー効果の悪い方の見本だな、と。
だって、よく考えてみてください。
安全な車を開発するように、メーカーの方に心がけていただきたい
これって、内容的には正しいコトを言っていますよね。
例えば、イチロー選手が、
安全な車を開発するように、メーカーの方に心がけていただきたい
と発言すれば、そのとおり!と同意する人も多いでしょう。
発言の中身で考えれば、正しいのです。
でも、世の中の多くの人はハロー効果の影響を受けます。
だから、この発言にも非難が殺到しました。
ボクは個人的には、
安全な車を開発するように、メーカーの方に心がけていただきたい
と思っています。
常に言っているように、感情論に流されてしまうと、正しい中身なのに非難するコトになってしまうんです。
だからこそ、中身が大切なんです。
中身をロジカルに考えるコト。
ノーベル賞を受賞した人も称賛されますが、それはあくまでもノーベル賞を獲ったコトに関してであるべきです。
ノーベル賞を獲った人がみんな、すばらしい人格者であるとは限りません。それは別の話です。
いま、新型コロナウイルスが流行していて、それに関して、様々な人が意見を述べています。
たまたまSNSで見つけたんですが、
ノーベル賞の●●先生が言っているんだから信頼できる
と発言している人がいました。
まさにハロー効果の見本ですね。
ノーベル賞を獲った人が常に正しいとは限らないはずです。
でも、ノーベル賞の影響は大きいですね。
ハロー効果。
非常に多くの人が知らないうちに影響を受けています。
これを読んだ人は、今後、あなた自身もしくは他の誰かが、ハロー効果の影響を受けていないかどうかを注意してみてください。
きっとたくさん見つかりますよ。