リスクとリターン
今回は、あえてツッコミどころの多い書き方をしてみます。
世の中に多くのサラリーマンが存在する中で、一部の人が起業します。
なぜ起業するのでしょうか。
それは、いろんな理由があるでしょう。
でも、一番多いのは経済的な目的、つまり、おカネじゃないでしょうか。
このままサラリーマンとして、ほどほどの給料をもらいながら生きていくか。
それとも、起業して成功して大きな稼ぎを得るか。
起業する人には、そんな野望を持つ人が多いでしょう。
すごく当たり前の大原則ですが、世の中は、ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターン。
サラリーマンと言うのは、基本的にはローリスク・ローリターンです。
月給がゼロになる確率は非常に低い代わりに、大金持ちになる確率も非常に低いです。
サラリーマンになる、サリーマンを続ける、と言うことは、すなわち、自分は大金持ちにはならないことを決断するのと同じ意味です。
だから、大金持ちになりたいのであれば、サラリーマンとしての収入に期待する人生を捨てる必要があります。
宝くじのようなギャンブルもありますが、期待値を考えれば、やるだけムダです。
起業の本質
では、起業とは何でしょうか。
例えば、一言で言えば、事業を興すこと、と言えます。
しかし、事業を興すと言う表現には様々な意味合いがあります。
特に重要なのはポジションです。
ほとんどのケースでは株式会社と言う形態をとると思うんですが、株式会社の最大の特徴は、所有と経営の分離です。
これはカンタンに言えば、おカネを出す人と、会社を運営する人は別々ですよ、と言う意味です。
例えば、Aさんが事業開始に必要なおカネをすべて出し、Bさんが事業の運営をするとします。
この場合は、Aさんが事業の100%株主です。
この事業が上手く行っている場合、AさんとBさんの儲けはどうなるでしょうか。
まずBさんの儲けはあくまでも事業の経営者として雇われた報酬ですね。
まあ給料とほとんど同じです。
で、Aさんの儲けは事業全体の儲けです。
Aさんが最初に1000万円を出して事業を興しました。運営はBさんです。報酬は月に50万円。
その事業を1年続けた結果、利益が800万円出ました。
Bさんの稼ぎは50万円の12ヶ月分で600万円。
Aさんの稼ぎは800万円です。利益をすべて株主に配当した場合ですが。
つまり、Bさんのポジションはあくまでも雇われであり、事実上はサラリーマンと同じ。
業績に関わらず毎月50万円を得ます。
しかしAさんの稼ぎは不安定。たまたま事業利益が800万円だったのでAさんの稼ぎは800万円でしたが、もし事業利益が2000万円ならAさんの稼ぎも2000万円。
逆に赤字なら、Aさんは最初に出した1000万円を失う可能性もあります。
実にカンタンな構図ですが、なぜこの話をわざわざしたか。
それは、起業家の意味合いを語りたいからです。
よく、起業家と言うと、自ら事業を興して運営する人をイメージしがちですが、では、上記の事例では、起業家は誰でしょうか。
Aさん?
Bさん?
Aさんはおカネを出して、運営は人に任せる立場。
Bさんはおカネをもらって、運営を請け負う立場。
冒頭の話を思い出してください。
起業家になりたいのは、サラリーマンの稼ぎから脱却したいから。
そうであれば、Bさんになるのは間違いなんですよね。
Aさんが起業家です。
ただし間違えないで欲しいのは、世の中の起業家は、AさんとBさんを兼ねているケースが多いってことです。
つまり、自分で自分の会社の株を持つオーナーでありながら、自分で事業の運営をする人です。
これであれば、事業で儲かった分は、オーナーとしてきちんと稼げます。
つまり、運営者としての報酬とは別に稼ぎがあるわけですね。
しかし、世の中の誰にでも、事業運営の才能があるわけではありません。
だからと言って、事業運営の才能がある人だけが起業家になれるのかと言えば、そんな残念なことはありません。
だからこそ、ボクは、Aさんのポジションを推薦するんです。
つまり、おカネは出すけど、運営は人に任せる。
そんなの起業家じゃ無い!
と言いたい人もいるかもしれませんが、よく考えてみてください。
会社の経営者つまり社長だって、一人で仕事をするわけではありません。
事業が拡大していけば、部下を雇ったり人に任せる必要が出てきます。
部下を雇ったり人に任せたからと言って、その人は経営者では無いなんてことは無いですよね。
要は役割の問題なんです。
おカネを出して運営もやる起業家もいれば、おカネだけ出して運営は任せる起業家もします。逆に、おカネを出してもらって運営を自分でやる起業家もいます。
もし、自分には経営の能力は無いけど、でも、起業家になって、サラリーマンとは異なる稼ぎを目指したいのなら、Aさんのような起業家になればいいんです。
別名、投資家、ですね。
そうです。
企業の株を買うと言うことは、それは経営を人に任せる事業家になると言うことなんです。
そして、スタートする企業におカネを出すのであれば、それは起業家に他なりません。
自分には経営の才能が無いから、一生サラリーマンでいよう。
そうやってあきらめる前に、まずは、投資家というポジションの起業家を目指してはいかがでしょうか。