株高
2021年1月9日現在で、日経平均株価は30年5ヶ月ぶりに28,000円台を回復し、アメリカのNYダウは3日連続で史上最高値を更新して31,097.97ドル。
要するに、株価は絶好調です。
一方で、世の中は新型コロナウイルス騒ぎでダメージを受ける業種がたくさんあります。
それを見て、
株価が実体経済と合っていない。
と言う人がたくさんいますね。
株価
ボクは逆に訊ねたいんですが、株価がいつから実体経済と合うようになりましたか?
そもそも株価とは実体経済とは関係の無いモノですよ。
なぜなら、株価は企業業績で決まるモノでは無いからです。
わかりやすい例え話をしましょうか。
Aさんが、とあるチケットをBさんに売りました。
売値は1万円です。
Aさんは、1年後にそのチケットを10万円で買い戻すと言っています。
つまり、Bさんは今そのチケットを1万円で買っておけば、1年後に10万円で買い戻してもらえるので、オトクだと考えたわけですね。
Aさんは、今、資金に困っていて、とりあえず目先の1万円が必要なので、そんなチケットを売り出したわけです。
さて、チケットを買ったBさんは、別の事情が発生して今すぐ現金が必要になりました。
そこで、Cさんに売るコトにしました。
Cさんは1万5千円で買ってあげようと言いました。
ところがDさんがやって来て、2万円で買ってあげると言ったのです。
2万円で買っても、後でAさんに10万円で買い戻してもらえるからですね。
さらにEさんが3万円で買うと言いました。
Bさんは、もちろん、一番高いEさんに買ってもらうコトにしました。
今度は、Eさんに今すぐ資金が必要となりました。
なのでEさんはチケットを売り出します。
3万円で買ったので、それ以上で売りたいところです。
そこにFさんが来て、4万円で買うと申し出ました。
Gさんは5万円で買うと言っています。
Hさんは6万円で買うと言っています。
6万円で買っても、後でAさんが10万円で買い戻してくれます。
こうやってEさんは6万円でチケットをHさんに売りました。
以下繰り返し。
仮に誰かが9万円でチケットを買っても、後でAさんが10万円で買い戻してくれるなら、損にはなりません。
チケットの価格はこうやって10万円に限りなく近くなるまで上がって行きます。
あとで10万円になるコトがわかっているので、そこまでは価格が上がるわけです。
実は、このチケットこそが株なのです。
株式会社の将来の業績は不確実ですが、上がるコトが見込まれる会社であれば、それを見越して株が買われるため、価格が上がるのです。
その会社の現在の業績なんて関係無いのです。
自動車メーカーのテスラの株価が上がったニュースを知っている人も多いでしょう。
その時価総額は、すでに、GM、フォード、トヨタ、ホンダ、FCA、VWの合計をも上回っています。
もちろん、テスラの現在の業績は、それらの企業を下回っています。
要は、テスラの株はさっきのAさんのチケットなのです。
今の業績では無く、後で儲かるから、今、買っておく。
買う人が殺到するから、値が上がる。
テスラと言う会社の将来が有望だと考える人が多い。
それだけのコトです。
Aさんのチケットとの違いは、Aさんは1年後に10万円と約束しましたが、テスラの業績が未知数な点です。
しかし株を買う人たちは、買値よりも、将来の手取りの方が多いと見込むわけですね。
不確実ですが、可能性に投資するわけです。
もちろん、Aさんだって1年後に確実に約束を果たすとは限らないので、不確実と言う点では同じですね。
ちなみにボクは2年ほど前にテスラ株を買い、現時点ですでに含み益で10倍になりました。
ここにNYダウの過去100年のチャートを貼っておきます。
リーマンショックがあっても、新型コロナショックがあっても、結局はずっと右肩上がりでしょ。
ボクはその確率に投資しています。
絶対ではありません。確率です。
逆に言えば、日本で銀行に預けておけば、少なくともボクが生きている間は、ほぼ確実に資産は増えないでしょう。
ボクは元銀行員ですが、銀行預金は必要な資金以外、ほぼゼロです。
より増える確率の高い投資をしているからです。
少し話が逸れましたが、
株価が実体経済と合っていない。
と言っている人たち。
それは過去も今も将来もずっとそうですよ。
そもそも株価と実体経済とは関係無いんですから。
株価は期待値です。