第100回夏の高校野球
今日は、甲子園球場で夏の高校野球第100回大会の決勝戦でした。
春夏連覇を目指す常連の大阪桐蔭と春夏通じて東北勢初の優勝を目指す金足農業。
秋田県勢としては103年ぶりの決勝進出なので、金足農業が注目を浴びていました。
吉田投手は準決勝まで5連投。
そして決勝でも登板。
その球数、実に800球以上。
決勝では大阪桐蔭に打ち込まれ、13点を取られ敗退。
初の東北勢優勝はお預けとなり、一方、大阪桐蔭は史上初の2度目の春夏連覇。
話題性の高い大会でした。
ボクは野球ファンなので野球記事をたまに書いていますが、基本的に、どこかのチームのファンにはならないんですよね。
プロ野球も12球団のファン。
人生のあらゆる場面においてポリシーとして貫いているんですが、大切なのは中身。
どこのチームか、よりも、どんなプレーか、の方が大切であるからです。
そう言う意味では、サッカーもテニスも水泳も好きです。
どんなプレーか。
内容が好きなんですよね。
大阪生まれだから大阪のチームを応援する、そんな発想はありません。
そんなことを言うと故郷を大切にしない、などと言われそうですが、そんなことは無いですよ。
こんな考え方なので。
ボクの故郷は大阪限定では無く、地球ですからね。
野球界の危機
実際、大阪桐蔭を始め、甲子園常連の強豪校は、もはや地域性はありません。
全国から選手を集めていますから。
学校がたまたまそこにあるだけです。中身は全国からの集まりです。
そう言う意味でも、地元校を応援する意味はボクにはありません。
ステキなプレーであれば、どこだって応援します。
それにしても、今回の決勝戦を見ても、日本の野球の危機を感じ取ることができます。
選手層が全然違う全国の高校生が同じ球場で試合をする。
違う土俵のチームが同じ土俵に来て闘っているイメージです。
ボクシングなどの格闘技の場合は、体重などで階級が分かれます。
高校野球にはそれが無いんですよね。
イヤな話ですが、強大な選手獲得力のあるチームと、選手層の薄いチームが同じ土俵に上がるのです。
まあそれがルールなので、そのこと自体は否定しません。
しかし、野球部に入る生徒が年々減少している状況を考えると、野球のファンが減っているのは間違いないと思うんですよね。
プロ野球の観客動員はここ数年、増えています。
しかし、3万人から4万人程度のプロ野球の球場で、ほぼ毎回満員になるチームは限られています。
人気を争うジャイアンツやタイガースですら、全試合満員とは限らないんです。
今はカープが強いのでほぼ満員。
ベイスターズも一昔前には考えられないほど観客動員数は増えました。
しかし、両リーグ合わせて年間の観客動員数は2500万人ほど。
何回も見に行く人がいることを考えれば、実際の人数はもっと少なくなります。
観客動員数が過去最高と言われる今でも、日本人の5人中4人は球場に足を運びません。
各球団は知恵を絞って集客しています。
ボクは、さっきも書いたとおり、プレーの中身が好きなんですよね。
しかし、各球団の集客努力は、
- 花火が上がる
- 食事をしながら観戦できる
- 遊園地がある
- 芸能人の始球式がある
- 選手のカラオケが聞ける
など、野球のプレートは関係の無いサービスが目に付きます。
もちろんビジネスなので、集客は絶対に大事です。
しかし、花火があるから球場に足を運ぶ人は、逆に言えば、花火が無ければ球場に足を運ばない。
もはやそうなると、野球の面白さは関係無いんですよね。
以前、熱狂的な阪神タイガースファンの友人に聞きました。
「なぜそんなにタイガースが好きなの?」
「わからない。」
「タイガースの選手のカラオケ大会と、ファイターズ対イーグルスの野球の試合、どちらを見に行く?」
「もちろんタイガースの選手のカラオケ大会。」
つまり、野球好きでは無いんですよ。タイガースファンなんです。
タイガースであればカラオケ大会で構わないわけです。他のチームが野球をやっていても興味無し。
プロ野球チームが野球以外のサービスで集客し、そして、野球に興味の無い野球チームファンが増えていく。
確かに集客はできていますが、野球人気ではありません。
イベント好きがたまたま野球場に集まっているだけ。
これなら、野球人口は減りますよね。
勝つために全国から選手を集める高校が混じっている高校野球大会。
野球以外のイベントで集客するプロ野球。
何か、気になりませんか?
ボクの目には危機にしか見えないんですよね。