小選挙区制
小選挙区制と言うのは、ひとつの選挙区で当選者が1人だけの選挙制度です。
5人が立候補したら、4人が落選です。
10人が立候補したら、9人が落選です。
日本でも、衆議院議員総選挙や地方選挙などでおなじみですね。
今回は、この、小選挙区制と支持率の話をします。
とある国があると仮定してください。
全人口は400人です。
この国には、
- 黄区
- 赤区
- 青区
- 灰区
の4つの区があり、それぞれの人口は100人ずつで、全員に選挙権があります。
選挙に立候補している政党は5つ。
- A党
- B党
- C党
- D党
- E党
とします。各党はそれぞれの区に候補者を立てました。
選挙結果
そして、選挙結果はこうなりました。
かなりの接戦ですが、4つの区すべてでA党の候補者が勝利しました。
この国の議員は全部で4人。
その4人すべてをA党の政治家が占めるようになりました。
こうなると、国会ではA党の法案がどんどん可決されます。
なにせ議員全員がA党ですからね。
では、この国の国民はそれで良いのでしょうか。
上図をもう一度、見てください。
確かに、4つの区すべてでA党の候補者が勝っていますが、4つの区のA党の得票数は合計で90です。
この国の人口は400人ですが、実はA党を支持しているのは90人であり、残りの310人は他党の支持者です。
つまり、圧倒的にA党に反対する国民が多いんですね。
しかし、選挙は選挙。
国民の大半がA党に反対していても、選挙の結果、A党の法案がどんどん通る。
これが小選挙区制の特徴です。
今は自民党が選挙で圧勝する時代です。
また、かつて2009年には民主党が選挙で圧勝しました。
しかし、どちらの時代も、圧倒的多数の国民がその政党を支持しているわけではありません。
どの選挙制度にも長所と短所があります。
だから、選挙で勝ったことが国民の総意だと考えてしまうと、上記のような問題が起こります。
ボクは、昔から、アンケート調査の落とし穴や統計値の落とし穴について書いて来ました。
いつの時代も、常に、数字のカラクリに関しては疑問を持ち、マスコミ発表を鵜呑みにしないようにしましょう。
今回は、考えやすくするために、とてもカンタンな数字で例を示しました。
自分で考えることが大切です。